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インテル、中国資本傘下の衝撃度。
江蘇蘇寧を迂回すれば青天井補強も!
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byAFLO
posted2016/06/17 11:00
インテルでもベテランに数えられる長友佑都。新体制で彼の処遇はどうなるのだろうか。
27日にフロント決定、会長はサネッティ?
実際に、MFラミレスも「まだ何の話も聞いていないけど、イタリアでプレーできればかなり嬉しいね」とコメントを出しており、欧州復帰への欲を見せている。
指揮官マンチーニは、クラブ売却を「まったく知らされていなかった」と明かしたが、大型補強が可能になると知れば、蚊帳の外に置かれていたことなどさっぱり忘れ、早速にでも補強希望リストを作り始めるだろう。
ひとまずは、経営権譲渡後初となる今月27日の株主総会で、新しいフロントの顔ぶれや補強の方向性が決まるだろう。近い将来、トヒル会長が去る際には、クラブの対外イメージを考慮して、現在副会長を務める元主将サネッティの会長昇格を推す声も上がっている。
ミランも買収、ローマのメインスポンサーも中国に。
ライバルのミランも、やはり中国の資本グループとクラブ過半数株式譲渡の交渉中だ。オーナーのシルビオ・ベルルスコーニが心臓疾患を発病し、手術を余儀なくされたことで彼の回復を待つ必要はあるが、ベルルスコーニの持ち株会社であるフィニンベスト社と中国側のコンサルタント企業との実務レベルでの交渉は続いている。
一方、昨季3位に食い込んだローマのメインスポンサーには広州の中国南方航空が就くという話も経済紙を中心に根強い。
中国マネーは、セリエA全体にも猛威を奮いつつある。
来たる来シーズン、その中心になるインテルには、金をかけたという評判のお化け屋敷のような、怖いもの見たさにも似た興味が沸いてきた。
彼らの新シーズンは、7月6日からイタリア北東部の山間で始まる夏季キャンプから始動する。
“インテル・チネーゼ(=チャイニーズ)”の全貌が見えてくるのは、まだこれからだ。