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宇佐美貴史が考える、
「EUROで一番うまいヤツ」。
posted2016/06/16 14:30
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph by
Asami Enomoto
「ボールの置きどころ。それでわかりますね」
いま観るべきうまい選手は誰なのか?
EURO2016をとことん楽しむヒントを探ろうと、ドリブルが一番うまいヤツは誰? トラップが一番うまいヤツは? シュートが一番うまいヤツは? あるいはパスをもらってみたいヤツは? ……そんな質問リストを携えてNumber904号(「EURO 2016 FRANCE 日本代表が語る優勝国予想。」)の取材のため、ガンバ大阪の練習場を訪ねた。
多くのサッカーファンはもちろん、多くのJリーガーが口を揃える“うまいヤツ”宇佐美貴史の視点を拝借するためだ。
「ボールの置きどころ」が一番参考になる理由。
そこで冒頭のコメント。“そもそも、こいつはうまいなという雰囲気は、いったいどこを観て感じ取っているのか?”、そんな抽象的な質問に、宇佐美は「ボールの置きどころ」と単刀直入に即答した後に続けた。
「例えば、バイエルンの練習でよく対戦したラーム(元ドイツ代表)。もう置きどころが絶妙すぎて、無理して突っ込むと逆にいる、また無理してついていこうと思うともう逆にいる。ユニフォームを引っ張ることすらできないほどなんです。あの身長とあのスピード、あのフィジカルなのに1対1も強い。結局それは頭がいいから。その意味で、ボールの置きどころは一番参考になるので、ラームにはサイドハーフとかもやって欲しいぐらいです。いったいどうやって仕掛けるのか、めっちゃ観たい」
残念ながら、ドイツ代表を引退したラームを今回のEUROで観ることはできない。だが、普段から欧州サッカーを頻繁にチェックする宇佐美の口からは、質問を重ねるたびにEURO出場選手の名がよどみなく出てきた。2011年から2シーズン在籍したブンデスリーガに加えて、最もよく観ているというプレミアリーグやリーガ・エスパニョーラ、セリエAからも。