“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER

トゥーロンより水原JS杯に注目!?
U-19日本代表に世界と戦う経験を。 

text by

安藤隆人

安藤隆人Takahito Ando

PROFILE

photograph byTakahito Ando

posted2016/05/18 07:00

トゥーロンより水原JS杯に注目!?U-19日本代表に世界と戦う経験を。<Number Web> photograph by Takahito Ando

U-19日本代表は水原JS杯のあと、6月にはPanda Cupで中国遠征、U-19国際トーナメントでアメリカ遠征と、海外での試合が続く。

国際経験を積む機会を喪失する悪影響。

 五輪は23歳以下。この年代は、世界を見渡してもすでに第一線で活躍しているべき世代であり、A代表に定着している選手も多いのだ。

 23歳はサッカー界ではある程度「熟しつつある」年齢だと言って良い。だからこそ、世界のスカウトの注目はそこからさらに下の年代に集まるのが一般的だ。

 さらに、年代別W杯出場が決まり、それに向けて起こる選手間のサバイバルレースも、選手育成の促進に繋がる。明確な目標に向かって突き進むモチベーションが、所属クラブだけでなく、年代別代表にもあることは、選手の意識を大きく刺激する。

 こうした機会を逸してきたという事実が、国際経験や成長促進に影響を及ぼしていることは、想像に難くない。他にもいろんな影響があるが、今ここでこれ以上述べると長くなってしまうので、割愛したい。

 今月、U-23日本代表が参加するトゥーロン国際大会(5月18日からフランス・トゥーロンなどで開催)も、2008年にU-23世代の大会に変わったが、オリンピックイヤー以外はU-20W杯出場権を得たチームが強化の一環として参加していることが多い大会だ。現に昨年もカタールが、ニュージーランドで開催されるU-20W杯を見据えた1995年以降生まれのU-20代表で参加している。

日本の19歳は、コンディションが最悪な世代!?

 5大会連続でU-20W杯出場を逃すことだけは絶対に避けなければならない。

 これは毎回言われていることだが、負け続けている以上、今回もこの言い回しを使わなければならないし、回数が増せば増すほど事態は深刻になり、「絶対に」の語気は強くなる。

 現在のU-19日本代表は、10月にバーレーンで開催されるAFC U-19選手権に向け、内山篤監督の下で着実に強化を図ってきている。内山監督は前大会で、鈴木政一(現・日本体育大学サッカー部監督)監督が率いたU-19日本代表のコーチを務めており、アジア敗退の屈辱を味わっている。

 その時に感じたのが、「19歳のゲームコンディションの差」だったという。

「本番直前にふたを開けてみたら、一気にそういう不安が噴出したことは、前回で大きく感じた。プロ1年目の選手より、プレミアリーグを戦っている高3の選手の方が良いんですよ。だからこそ、試合勘が重要。試合を重ねてその中で自分が主導権を握って試合を進める経験を積ませないといけない」

【次ページ】 プロ入り1年目選手の「試合勘」問題。

BACK 1 2 3 4 5 NEXT
内山篤
遠藤渓太
神谷優太
佐藤亮
中山雄太
伊藤涼太郎
小川航基
堂安律
森晃太
岩崎悠人
冨安健洋
町田浩樹
垣田裕暉
和田昌士
大南拓磨

サッカー日本代表の前後の記事

ページトップ