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盤石のバルサとレアルの狂騒。
~4月2日クラシコで雌雄を決す!~ 

text by

横井伸幸

横井伸幸Nobuyuki Yokoi

PROFILE

photograph byMutsu Kawamori

posted2016/03/19 11:00

盤石のバルサとレアルの狂騒。~4月2日クラシコで雌雄を決す!~<Number Web> photograph by Mutsu Kawamori

あまりにも多すぎる故障者の数。

 事程左様に正反対のシーズンを送ってきた両者だが、その原因に数えられる幾つかの事象に関しても明暗ははっきりしている。

 第一に故障の数だ。

 マドリーは今季も筋肉系のケガが非常に多い。これまで中長期の欠場を余儀なくされたのはモドリッチにベンゼマ、ハメスにバラン、ペペにベイルにカルバハル……。ジダン体制になってから3トップにベイル、ベンゼマ、C・ロナウドが揃ったのはたったの2試合だけである。ベニテスのフィジカルトレーナーを務めていたパコ・デ・ミゲルは、好ましくない気候の国で強い相手との親善試合が次々組まれる「マーケティングのためのプレシーズン」のせいかもしれないとコメントしているが、オーストラリアや中国へ飛んだマドリー同様、昨年の夏はバルサも米国を廻っている。しかし、ケガの数はマドリーほどではない。

勝利の条件は、故障者を減らし、エースが活躍し……。

 次に、エースの働きぶりも違う。

 第28節を終えたところで得点ランキング1位は27ゴールを決めているC・ロナウド。メッシは前回クラシコを含む5試合の故障欠場があったため6ゴール差の3位である。だが上位勢との対戦に限っていうと、2度のアトレティコ戦とアスレティック戦、セビージャ戦、セルタ戦で得点しているメッシに対し、C・ロナウドはアスレティック戦とセルタ戦の計2試合でしか得点していない。そして、上位の全チームに勝利しているバルサに対し、マドリーは3月上旬の時点でアスレティックとセルタにしか勝っていない。

 こんな両者が4月2日、再び矛を交える。

 マドリーが、勝てないまでもバルサと互角に渡りあうには、こうした差異を少しでも減らすことが絶対条件となるだろう。つまり故障者をなくし、エースがパフォーマンスを上げ、監督が然るべき戦術をチームに授ける――。

 どれも簡単にはいかないが、中でも難しそうなのはジダンの任務だ。

【次ページ】 ジダンの分析能力はそれほどでもない、と。

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