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今回の箱根は「山フェス」の様相!
5区80分、6区60分という優勝ライン。 

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2014/12/25 10:30

今回の箱根は「山フェス」の様相!5区80分、6区60分という優勝ライン。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

柏原竜二の衝撃以来、箱根の山上りは以前以上に重要度を増した。今回の箱根に山の神は降臨するのか。

5区80分、6区60分という優勝に絡む基準タイム。

 箱根駅伝を楽しむ知識として必要なのが、特殊区間と呼ばれる5区と6区のタイムの目安だ。

「5区・80分+6区・60分」

 という数字が、他の区間の結果次第で優勝を狙うラインだ。

 しかし、今回は5区に起用されるランナーのレベルが高く、78分台の選手が複数出ると予想されるのだ。原監督は、「神野には77分50秒を狙ってもらいます」と会見で話したが(神野本人は78分30秒と控えめ)、神野だけではなく、過去に山上りを経験した選手を含め、78分台を目指す選手が複数いる。名前をあげてみよう。

駒大   馬場翔大(3年) 1時間19分54秒(2014年)
早大   山本修平(4年) 1時間19分52秒(2012年)
東海大 宮上翔太(3年) 1時間20分06秒(2014年)

 この3人に加え、神野が78分台の攻防を繰り広げるはずだ。

 過去に1時間22分以上かかってしまった選手のリベンジはなかなかむずかしい。急坂に対する適性の問題が出てくるからだ。

山で優位なのは駒大、青学大、早大。

 ここ数年の箱根駅伝のトレンドを見る限り、やはり山上りを制したチームが圧倒的に優位である。有力校が山の攻略に自信をのぞかせているだけに、「山フェス」で天下を取った学校が往路優勝はもちろんのこと、復路でも主導権を握るだろう。

 私の見立てでは、山フェスを優位に運び、優勝の可能性があるのは、駒大、青学大、早大の3校だ。

 この3校は山上りだけでなく、前半の高速区間に対応できるスピードがあり、なおかつ山下りでも区間賞争いが展開できる。

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