Number ExBACK NUMBER
ド文系だけど、箱根駅伝マニア!?
吉木りさが憧れの山梨学院大を直撃。
posted2014/12/26 10:40
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph by
Sports Graphic Number
みなさん、こんにちは! 吉木りさです。
実は私、'14年の10月に生まれて初めてハーフマラソンを完走したんです。地元・千葉でアクアラインマラソンのPR大使に任命されたこともあり、漫画好きでド文系の私ですが、なんとか練習を重ねて走り切ることができました。いつもは観戦するだけだった長距離レースに参加してゴールできた、あの達成感は忘れられません。
そして実際に走った経験があると、これからのマラソン・駅伝シーズンの観戦にも力が入ります。マラソン・駅伝といえばこの時期の話題はもうアレ一色ですよね……そう、箱根駅伝!
もともと私の周りには大学駅伝通の人がたくさんいたんです。日々、そんな話を聞いていて、私もファンになってしまったのがプルシアンブルーのユニフォームでおなじみ、山梨学院大です。前回の箱根駅伝では優勝も期待される中、2区でエースのエノック・オムワンバ選手が疲労骨折を起こすアクシデント。途中棄権となってしまい、おもわず声を失いました。
あれから1年――山梨学院大学の選手たちは、今年の箱根路にどんな思いを馳せているのでしょうか。
最初に登場したのは、吉木イチオシの阿部竜巳選手。
寒波の訪れた12月中旬。東京よりも一段寒い気候の甲府にある、山梨学院大学を訪ねると、選手たちが爽やかに出迎えてくれました。
今年は有力な新人も加入して、優勝候補の一角として期待をされるチーム。最初に話を聞いたのは、前回の箱根駅伝で9区を好走した4年生・阿部竜巳選手。
今年も全日本大学駅伝では7区で区間5位と、堅実な走りをみせてくれています。実は……以前からツイッターで交流があったこともあり、阿部選手は吉木イチオシの選手なんです。
――まずは、山梨学院を選んだ理由は何なんでしょうか?
「昔見ていた箱根駅伝で、モグス選手('09年卒)の走りを見てその強さに憧れて、あのブルーのユニフォームが着たいなと思ったのがきっかけです。『あんな風に走れたら。強くなれたら』と思い、山梨学院を選びました」
――なるほど。そんな憧れの山梨学院で迎える最終学年。今年はどんな一年でした?
「今年は、とにかく勝ちにこだわった一年でした。昨年は最後の競り合いになると、いつも山梨が負けていた印象があります。今年はとにかく気持ちで負けないよう、絶対に引かない強い心をもつために練習してきました」
――前回はまさかの棄権という結果に。実際に走った選手は、どうやってアクシデントを受け止めることができたのでしょうか?
「正直、『何が起きたんだろう』というのが一番の感想で。僕が9区を走る予定だった駅伝が2区で終わってしまって、現実として受け止められなかった。でもその後に走る仲間が、良い表情で、堂々と走っているのを見て『自分もやらなきゃ』という気になりました。
最初は、途中棄権したことで周りに何を言われるのか、正直不安だったんです。やっぱり留学生への批判もありますし、『ケニア人だけなのかよ!』というヤジが聞こえてくることもあるんです。
でも実際に走り出してみると、沿道から『山梨学院、がんばれ』『オムワンバの分まで頑張れよ!』という声がたくさん聞こえて。その時は、本当にうれしかった。その一言は本当に力になりました」
――そんな苦難を乗り越えての今回の箱根。本番に向け「今年こそ」の想いも強いのでは?
「結構、自分はレースでも落ち着いて考えられるタイプだとは思います。個人での走りを買ってもらっているんだと思うので、前回と同様、復路でしっかり走りたい。さらに言えば、そこで勝負を決定づける役割を果たせたら良いですね」