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今回の箱根は「山フェス」の様相!
5区80分、6区60分という優勝ライン。
posted2014/12/25 10:30
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph by
Takuya Sugiyama
12月20日、青山学院大の相模原キャンパスで箱根駅伝に向けた会見が行われた。
原晋監督は、その場で発表した。
「5区は神野(大地)で行きます」
会見場がザワついた。
通常、箱根駅伝では12月29日の区間エントリーが発表されるまで、区間配置は「トップシークレット」とされるのだが、最近はずいぶんと変わってきた。12月中にいろいろな大学に取材に行くと、選手の方から予定区間を話してくる(ただし、チームに迷惑がかかるので記者は書かないのが「暗黙のルール」だ)。
ところが、原監督は去年も「2区は神野です」と本人にも知らせないで発表するなど、とにかくサプライズ演出がうまい。20日も、
「みなさん、遠いところまで足を運んでくださっているので、何かお土産がないと申し訳ないと思ってね」
と戦略区間である5区の選手の起用を明言した。
「神野に“山の神”になってもらいます(笑)」
と冗談も織り交ぜるあたり、「明るい、でも行き過ぎるとチャラい」と監督自身が言う通り、いかにも青学大らしい会見だった。
今回の箱根駅伝は「山フェス」の様相。
さて、今回の箱根駅伝だが、どうやら「山フェス」の様相を呈しそうだ。その意味は、スピードよりも粘り、強さが求められる5区の山上りに、平地での速さを持つエース級の選手を投入する学校が増えそう――ということだ。
おそらく、前回優勝した東洋大学が、5区にスピードランナーの設楽啓太を起用して成功を収めたのが「トレンド」になっているのかな、とも思う。