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箱根の鍵は1区? 2区? または……。
主導権争い、駆け引きの序盤を読む。
posted2014/12/15 10:30
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph by
Kyodo News
箱根駅伝の記者発表が12月10日に行なわれ、各大学16人のエントリー選手が発表された。
毎年、記者発表で注目されるのは、エントリー選手上位10人の10000mの平均タイム。
今回は平均タイムが28分台の学校が6校あった。順番に並べていくと……。
1 駒澤大学 28分48秒88
2 明治大学 28分49秒8
3 山梨学院大学 28分51秒74
4 青山学院大学 28分52秒57
5 早稲田大学 28分56秒91
6 東洋大学 28分59秒8
「まあ、10000mは記録会で“作られる”タイムだからね……」と、上位6校のうちのとある監督は話したが、この6校がレース展開の鍵を握っているのは間違いない。
1区からふるい落としが始まる高速展開。
昨年までは早大の大迫傑(現・日清食品グループ)が圧倒的な存在感を発揮し、1区からレースの主導権を握っていた。シード権を狙うある大学の監督は、
「大迫君が卒業して、少しペースが落ちついてくれるといいんだけどなあ」
と願望を話してくれたが、「そうはならないでしょうね」とも予測していた。
今回、初優勝を射程距離に捉えている青山学院大の原晋監督は、
「1区からふるい落としが始まるでしょうね。主導権は駒大さんが握っているでしょうから、優勝を狙っているチームはここで先頭争いに加わらないと話にならない」
と、1区をサバイバルだと表現した。そして、一拍おいてから、
「ウチもなかなか強いよ。楽しみにしていてください」
と微笑んだ。