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大迫勇也と本田圭佑の「共通点」。
欧州の当たりに耐える姿勢とは? 

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木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2014/01/14 10:35

大迫勇也と本田圭佑の「共通点」。欧州の当たりに耐える姿勢とは?<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

2013年11月16日に行なわれたオランダ戦の前半44分、大迫勇也は長谷部誠のパスをダイレクトで決めた。この日は本田圭佑の得点もアシストするなど、強豪相手でも通用することをアピールした。

オランダ戦でも、前線でタメを作った大迫。

 一般的に日本人FWは、接触プレーにおけるフィジカルが弱いというイメージがある。2列目の選手ならば、相手に当たられずにプレーすることでその弱点をカバーできるが、やはり最前線のポジションには「ポストプレー」が不可欠だ。激しくぶつかられながらも、相手を背負ってキープする強さがないと、監督も1トップの位置には使いづらい。

 だが、大迫はその問題を克服できそうなのだ。

 そう感じたきっかけは、昨年11月のオランダ対日本だった。大迫は1トップで先発すると、アストン・ビラのフラールやACミランのデヨングに当たり負けすることなく、前線でタメを作れていた。

 なぜ大迫は接触プレーでも、当たり負けしないのか?

「体の使い方・動き方」の分析に定評のある西本直トレーナーは、こう解説する。

「背中と腕の使い方が抜群にうまいと思います。以前、NumberWebで『競り合いの際、背中を伸ばし、その延長線上にある腕も伸ばした状態で体を使った方が、相手の圧力に対して強い』ことを紹介しましたが、まさにその体の使い方をしているのが大迫選手です」

両腕を脱力させ、背筋を伸ばしてぶつかる。

 西本が目をつけたのは、デヨングと競り合っているこの1枚の写真だ。

 デヨングに体を寄せられながらも、大迫は相手をうまくブロックし、ボールをキープすることに成功している。

 そのメカニズムはこうだ。

「この場面で大迫選手は、両腕を力ませることなく、スッと伸ばしている。それによって背筋がしっかりと伸ばされ、なおかつ左半身をあずけることでバランスを取っている。屈筋よりも伸筋の方が力強くて持久力がある。この場合で言えば、背中側の筋肉です。その強い筋肉を使うことで、大迫選手は相手の圧力を受け止めている。見事な身のこなしですよ」

【次ページ】 本田と大迫の共通点と、日本人としての挑戦。

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