サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
3年間でなぜ48位から世界4位に?
C組最大の難関、コロンビアの秘密。
text by
竹澤哲Satoshi Takezawa
photograph byAFLO
posted2013/12/13 16:30
ベルギーとの親善試合でもゴールを決めた絶対的エース、ファルカオ。今夏モナコに移籍した78億円の男が、日本の前に立ちはだかる。
ファルカオ、グアリンなどを見出したスカウティング。
近年のコロンビアが変貌を遂げた理由の一つに育成システムの充実がある。'90年代の終わりから14歳以下の国内大会が実施されるようになり、積極的なスカウティングがされるようになった。
その結果、ファルカオ、ロドリゲス、フレディ・グアリン、マクネリー・トーレス、アベル・アギラールといった選手が見いだされ、若いときから国際経験を積んできたのだ。成果が最初に現れたのは2003年U-20W杯で、3位という成績を残している。
現代表には世界中の名門クラブで活躍する選手が名を連ねている。特筆すべきは攻撃陣の層の厚さだ。
生粋のゴールゲッター、ファルカオ(モナコ)を筆頭にテオフィロ・グティエレス(リーベル・プレート)、ジャクソン・マルティネス(ポルト)、カルロス・バッカ(セビージャ)、ルイス・ムリエル(ウディネーゼ)とその充実度は他の国からすれば羨ましい限りだろう。
トップ下には最近加わったばかりのビクトル・イバルボ(カリアリ)や若手のロドリゲス(モナコ)。中盤にはカルロス・サンチェス(エルチェ)、エドウィン・バレンシア(フルミネンセ)、フレディ・グアリン(インテル)、フアン・キンテーロ(ポルト)。
ディフェンスはスピードの点で問題があるとされながらも、国際経験の豊富なことで補ってきた、マリオ・ジェペス(アタランタ)やルイス・ペレア(クルス・アスール)がいるし、ゴールキーパーには42歳のベテラン、ファリド・モンドラゴン(カリ)も招集され続けている。
攻撃にばかり目が行ってしまうようだが、南米予選で9カ国中最少失点数を記録した守備力も侮れない。ペケルマンは2年間かけて多くの選手を試し、チームを創り上げてきたため、バックアッパーも充実している。
「まずはベスト16」日本にとっては厳しい相手だ。
ペケルマンはW杯出場を決めた時「我々はまだ理想のチームでもないし、完璧なチームでもない。しかしそれを目指している」と話した。これまでの課題としては「試合中、時々、全体のバランスを失ってしまう」というものがあった。しかし11月に行なわれたベルギーとの親善試合(2-0で勝利)においては「W杯に出場するようなチームを相手に、ボールポゼッションを高く維持することは難しいことだし、得点チャンスも少ない。しかし今日の試合では組織的にも個人技においてもいいプレーができたし、バランスもよかった。これからさらに競争力をつけて行きたい」と理想に向けて一歩一歩、進んできていることを実感しているようだった。
'94年大会の過ちを教訓に、今大会においては気の緩みを生むようなことはないだろう。コロンビアの目標をペケルマンは「まずはベスト16」だとしている。日本がGLを戦う上で手強い相手となることはまちがいないようだ。