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一流選手や監督による
言葉の力と、叱る極意。
~巨人軍再建を支えた「叱る技術」~
text by
本城雅人Masato Honjo
photograph bySports Graphic Number
posted2010/11/07 08:00
『こんな言葉で叱られたい』 清武英利著 文春新書 700円+税
体の奥までガツンと響く「叱る言葉」が選手を変える。
リーグ四連覇を逸した巨人は今オフ、大補強が予想される。どこに投資することが常勝球団を作る近道なのか? これはいつか著者に問うてみたいと思っているが、よりベターな方法を一つだけと訊けば、著者は一人の選手に高い年俸を払うより、他球団に先駆けてマイナー球団を複数作り、育成選手や他球団を解雇された選手を多く確保することが、長く安定した強いチームになる、そう答えるのではないかと勝手に想像している。
そこから第二、第三の山口、松本、星野、オビスポが出てくると安易に考えていると思っているのではない。だが、選手が血の通った人である以上、他では目立たなかった者が、なにかを拍子に一変した先例はこの世界にはいくらでもある。本書でも「プロの眼力には限界があることを知った」という一文が記されている。
それではその拍子となるものは何か?それこそ魂がこもったパンチの如く、体の奥までガツンと響く「叱る言葉」である。
文春新書
常勝巨人を復活させた「叱る技術」
球団代表として選手育成に注力。巨人軍第四期黄金時代を支える男が、原監督、コーチ陣、スタッフ、ベテラン選手の「言葉の力」を明かす
<本体700円+税/清武英利・著>
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