野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
交流戦最下位で早くも心が折れた!?
DeNAに忍び寄る「またか」の空気。
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byKyodo News
posted2013/06/18 10:30
6月9日のDeNA×オリックス戦2回裏、三嶋のスクイズで荒波が本塁を突いたがアウトの判定に、猛抗議した中畑監督。
9年目を迎えた交流戦が16日をもって終了。福岡ソフトバンクが2年ぶり4回目の優勝を果たしたのと同時に、セ・リーグ各チームには、今年も「やっぱりパ・リーグは強かった」という印象を残して終わった(雨天順延分の試合もまだあるけど)。
今年もまたパ・リーグが79勝60敗4分で、セ・リーグを圧倒した。交流、交流と異文化コミュニケーション的な耳触りのよさに騙されてはいたが、セ・リーグ各球団にとってのパ・リーグ各チームは、もはや毎年5月にやってくる暴力交換留学生みたいな厄介者である。
開幕から節約して節約して、借金を極力せずに慎ましく生活してきたというのに、この暴力留学生が来た途端、白星を出せ出せとむしり取られ、帰った頃には、我が家は借金まみれで火の車。二度と来るなオリックス! と塩を撒きたくもなるわけだ。
今シーズンのベイスターズは、交流戦前には18勝20敗。借金2の3位という近年稀に見る好位置につけていたのである。
特に5月10日の巨人戦での7点差をひっくり返す多村のサヨナラスリーランでの大逆転勝利は、1998年7月15日の松井清原高橋揃踏み本塁打を浴びながらの佐伯ボーク打ち直し本塁打&波留のサヨナラヒットで大逆転勝ちを収め、権藤監督に「もののけの類がついている」と言わしめたあの試合の再来かと思うような鳥肌試合。その試合での勝利で勝率5割復帰と「今年はやっぱり違う」と気勢があがり、最高の雰囲気で交流戦前まできていたのである。
「あとは交流戦をどうにか、何事もなく、無事に、乗り切ることができれば……」
それが横浜関係者共通の願いだった。
奇跡的な好調も、交流戦の5連敗×3で元の木阿弥。
パさん相手に無事で済むわけがなかった。
5月10日の翌日からの巨人戦で2連敗を喫した上で突入した交流戦。いきなり3連敗を喰らっての5連敗。その後、25日からも再び5連敗。そして6月3日からトドメの5連敗と、3つの5連敗で交流戦7勝17敗で単独最下位。
とはいえヤクルトと中日の調子が出ていないため、セ・リーグではギリギリ最下位こそ免れているが、ちょっと油断すれば定位置からの凄まじい引力に引っ張られ、あの場所へ戻ってしまうギリギリの状態。
さらに5月24日には石川キャプテンが首脳陣曰く“不貞腐れ”、本人曰く「モチベーションの問題」という、いつもの「最下位チームによくある風景」然とした理由で二軍に落とされた。