野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
交流戦最下位で早くも心が折れた!?
DeNAに忍び寄る「またか」の空気。
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byKyodo News
posted2013/06/18 10:30
6月9日のDeNA×オリックス戦2回裏、三嶋のスクイズで荒波が本塁を突いたがアウトの判定に、猛抗議した中畑監督。
「結果がすべて」という不退転の覚悟で臨んだが……。
負けた時の気持ちの持ち方。少しぐらい負けが込んでも、黒星の闇に取り込まれず、気持ちを持ち続けること。それが今シーズンの課題だった。
今シーズンの前、今年から投手キャプテンに就任した藤江均はこんなことを言っていた。
「他のチームでも負ける時は負けるんですよ。ただね、僕らが違うのは負けた後なんですよ。負けはじめはまだいいですけど、続いていくと『また負ける』となってしまう。勝ちに行って負けたなら次の試合に結びつきますけど、負けるもんやと思って負けてしまうと、何も残らない。今年はそこですよ。もう負けてね、気持ちが折れたまま『次頑張ろう』と上辺だけ言うのはもうええわと。負け続けても最下位に落ちようと、勝つんだという気持ちを持ち続ける。ケンカでもどんなに物凄い強そうな相手がいても、『おたくさん強いですねぇ……』なんて言わないでしょ、『なんじゃおらぁ』って(笑)。そこははったりでも『負けるかい』って言い続けてやりますよ」
今シーズンのDeNAベイスターズは「勝」をスローガンに掲げて臨んだ。昨年の「負けたけどいい試合だった」、「なんか強くなった気がする。最下位だけど」という妥協点の低さを排除し、あくまでも「勝ちに行く」、「結果がすべて」という、退くに退けない方針を打ち出してしまった。
負けると思うな思えば負けよ──強い心で3位を狙え!
そのために球団も「言い訳できない補強」と銘打ち、ブランコやらソト、ソーサ、モーガンなんて外国人の大量補強も行ない、選手たちも血相変えて今年に懸けると言ってきた。さらに交流戦前までは、それなりに結果もついてきていたのである。
だからこそ、ここで切れたらもったいない。
この交流戦の最下位は暴力交換留学生か白星強盗でも来たものと諦めるよりほかはない。通常のシーズンに戻ったここからが、チームにとってずっと課題だった“負けても心を折らない”という誓いが本物かどうかを試す、正念場になる。
現在、借金12。他球団が伸び悩んでいるため、まだまだCS圏内の3位は狙える位置にいる。前半戦終了までに借金をひとつでも減らし、この団子状態について行けば道は開ける。ここからもう一度、なんとか、どうにか、仕切り直してほしい。一軍に復帰した石川(態度監視付)キャプテンも。
勝つと思うな思えば負けよ――なんて歌ったのは横浜出身の美空ひばりだが、ことベイスターズに関しては、負けると思うな思えば負けよ――で諦めず戦ってほしい。