フットボール“新語録”BACK NUMBER

ロシアでJリーグの人気が上昇中!?
記者が語る“エキゾチック”な魅力。 

text by

木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

PROFILE

photograph byAFLO

posted2012/10/05 10:30

ロシアでJリーグの人気が上昇中!?記者が語る“エキゾチック”な魅力。<Number Web> photograph by AFLO

諦めずに走るサッカーで、今季一時首位にも躍り出たベガルタ仙台。ボールを奪ってからの素早いカウンターで、得点を重ねた。

ロシア人の目に映るJリーグは「すごくエキゾチック」。

 世界的にヨーロッパのトップリーグへの関心が高まっている中、なぜそれほどまでにJリーグに魅力を感じ続けているのだろう?

 アントンは3つの理由をあげた。

「まず1つ目は、ピッチにいる全員が最後まで諦めないこと。だから試合がどうなるかわからない。僕が一番覚えているのは、2008年12月のFC東京対ジェフ千葉。東京が2点先制したのに、そのあとに千葉が4点返して勝ったんです。本当に驚きました。Jリーグではどの試合も、選手が頑張る。他のロシア人も、ここに魅力を感じていると思います」

 2つ目は日本人には理解しづらいのだが、こう感じるらしい。

「Jリーグは、すごくエキゾチック。スタジアムが綺麗で、ユニフォームが高品質でデザインもいい。あの雰囲気が好きです」

 そして3つ目は、応援に関することだった。

「Jリーグは、真のサポーターがいるリーグだと思います。ロシアでは暴れるためにスタジアムに来る人もいるけれど、Jリーグでは純粋にサッカーを観るため、応援のために来ている。ロシアは応援とは言えない。僕はJリーグの応援が、すごく好きです」

Jリーグのとことん「頑張る」姿勢は世界に誇れる魅力。

 アントンは帰国後、Jリーグのエキスパートとして、『ファンクラブ』というラジオ番組に招待された。各国のファン文化を取り上げる番組で、その後も1年に1回のペースで出演している。現在は時事通信の通信員として働きながら、『スタジオ・スポーツ』の立ち上げスタッフのひとりとして奮闘している。

「Jリーグは昔のように外国からスター選手は来なくなりましたが、フッキ、ドゥドゥ、ドゥンビアといった選手がJリーグからステップアップして、新たな地位を確立しています。国外にアピールする魅力は、たくさんあると思います」

 ヨーロッパのリーグでも最後まで諦めない選手はいるが、ピッチにいる全員とは限らない。それに対して、Jリーグはすべての選手が最後まで走り続ける。そういえば、ヨーロッパのトップリーグでは足がつるシーンはあまり見ない気がするが、Jリーグでは日常茶飯事。日本人のとことん「頑張る」姿勢は、世界に誇るべき特徴なのだ。

 これからJリーグを世界にアピールしていくうえで、国外に住むJリーグファンの視点は大いに参考になるだろう。

BACK 1 2

Jリーグの前後の記事

ページトップ