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自転車からスカイツリーを仰げば、
銀座、浅草、そして業平橋。 

text by

疋田智

疋田智Satoshi Hikita

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photograph bySatoshi Hikita

posted2010/04/16 06:00

自転車からスカイツリーを仰げば、銀座、浅草、そして業平橋。<Number Web> photograph by Satoshi Hikita

社交ダンスウェアも。馬喰町は「都内屈指の大問屋街」。

 日本橋を過ぎると馬喰町に出る。

 ふーむ、馬喰町。銀座、日本橋など全国に轟き渡る地名の後だと、どうも知名度に欠ける。というか地味な馬喰町なんだけど、なんの、知る人ぞ知る聖地・馬喰町でもある。

 この街は江戸時代からずっと繊維問屋が集結する地域で、隣の横山町と合わせて(そういえば都営線の駅名も「馬喰横山駅」だね)、今でも「都内屈指の大問屋街」なのだ。「服飾業界の秋葉原」とでも言ったら分かりやすいだろうか。だから、町並みを見てみても、服屋布屋繊維屋がずらり。「サカゼン」のビルもここに屹立している。

 サカゼンというのも、これまた、知る人ぞ知るという感じの「有名店」なんだけど、元祖・安売り紳士服屋さんとでも言いましょうか、元祖LLサイズの紳士服屋さんと言いますか、ま、そういう店。下町地域にいると(私は葛飾と荒川に都合10年以上住んでました)、ホンジャマカの石塚さんがニッタリ笑う例のポスターでお馴染みだ。

 さらにいうなら、この街には「社交ダンスウェア総合専門店」「中高年向きニット製品専門店」などという、味わい深くもアヤシの店があったりして、その道の達人たちにとっては、避けて通れない街だったりもする。恐るべし、馬喰町。

 さて、銀座から馬喰町とくると、周囲はだんだん下町情緒が漂ってきて、ペダルを踏むごとに「あ、街がどんどん変わっていく」というのが体感として分かる。

 いわゆる「都心」と「下町」の国境線は、おそらくこの日本橋を越えた界隈、馬喰町にあるのだ。

 人形屋さんだらけの浅草橋(ああ、私の息子の五月人形もここで買ったなぁ)を行き過ぎると、おや、大通り沿いに「御蔵前書房」という名前のレトロなレトロな古本屋が目に入る。

レトロにもほどがある! 不屈の「御蔵前書房」。

「大江戸、大東京、大相撲関連の文献探しなら当店にどうぞ」ということなんだが、昭和23年、戦後の焼け野原の中で、いち早く営業を開始した、不屈の古本屋さんなのだそうだ。

 うーむ、レトロにもほどがある。

 少々、語弊はあるかもしれないが、リアルな言い方をすると「建っているのが、むしろ不思議」である。

 柱があからさまに歪んでる。写真を見ていただければよく分かると思うのだけれど、横綱白鵬か新大関把瑠都あたりがぶつかり稽古でもかましたら、5分で壊れるね。

 ふむ、しかし、そういう相撲関連の連想が浮かぶ屋号が「御蔵前書房」。この名前自体が渋いのだ。

 浅草橋と浅草にはさまれた(よく誤解されるんだけれど「浅草橋」と「浅草」はまったく別の街であります)、このあたりの地名を台東区蔵前という。

 旧国技館があったところだ。

【次ページ】 「蔵前国技館」の思い出を探して。

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