甲子園の風BACK NUMBER
春の覇者・東海大相模の対抗馬は?
東京、千葉、山梨の予選は逸材揃い。
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2011/07/21 10:30
高校球界で圧倒的な存在感を示す東海大甲府のショート、高橋周平。かつて、星稜高校時代の松井秀喜がそうだったように、勝負の場面では四球で避けられることも多い
「革命」を予感させた群馬・樹徳のバッティング。
始動はアメリカ人打者のように遅く、ゆっくり行われ、ステップも慎重かつゆっくり行われる。遅い始動や、ゆったりしたステップはボールを手元まで呼び込むための“必須スタイル”と言っても過言ではないが、差し込まれることを恐れる平均的な打者には逆立ちしてもできない。
監督の信念がここまで徹底した指導を行わせたのだろうが、ここから本多、根岸が殻を破り、チーム全体にバッティングを考える土壌が整備された。観戦ノートの余白に「高校野球のバッティングに革命を起こすかも」と記したが、是非そうなってほしい。
茨城も好選手が揃った。投手では安達大貴(鉾田一)、肥後勇輝(波崎柳川)、斎藤大輔(常総学院)が本格派の三羽ガラスとも言える存在。いずれも140キロ台中盤を記録する本格派で、7月19日現在も勝ち残っているので、見ていない人は足を運んだらどうだろう。
打者では国井伸二朗(二塁手・常総学院)、後藤学(捕手・下妻二)に加え、甲子園出場経験のある小野瀬大勝(二塁手)、萩谷直斗(外野手)の水城勢が注目される。対戦カードでは、3回戦で激突する鉾田一対下妻二、波崎柳川対水戸商など、興味深いカードが並んでいる。