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“巨大宗教都市”としての東京を行く。
ご立派建築にイマドキの信心を見る。 

text by

疋田智

疋田智Satoshi Hikita

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photograph bySatoshi Hikita

posted2011/06/25 08:00

“巨大宗教都市”としての東京を行く。ご立派建築にイマドキの信心を見る。<Number Web> photograph by Satoshi Hikita

立正佼成会の大聖堂を望んでハイポーズ。とにかく圧倒的な存在感を誇る巨大建築です。一見の価値アリ!

巨大伽藍に圧倒される……杉並区和田「立正佼成会」。

 さて、統一教会ビルから代々木公園方面に一漕ぎするとすぐNHKの西玄関前に出る。このあたりになると、ここはNHK教育系のテキスト屋さんとか、関連会社(たいてい“NHKカタカナ”みたいな名前)とかが軒を連ねていて、何だか“NHK村”という感じになってくるんだけど、そこを通り過ぎて井の頭通りをまっすぐに西に向かうわけだ。

 井の頭通りは、まっすぐに私を導くように(?)代田橋方面に連れて行き、環七を右に曲がると、おお、大聖堂の巨大伽藍が待ち受けている。杉並区和田。神田川の回(第3回)にも前を通った立正佼成会である。

 立正佼成会も法華系のひとつだ。

 というよりも、元来、先述の霊友会の宗派のひとつだった。そこから分派して立正佼成会となったのだという。立正とは日蓮さんの立正安国論の立正である。

 創立が1938年、太平洋戦争前夜にスタートした。

 この「大聖堂」の巨大伽藍(おそらく東京の宗教施設としては巨大さナンバーワンではないか)を見上げていると、やはり宗教というもののパワーを感じざるを得ない。

 この大聖堂だけじゃないのだ。すぐ近くには「佼成学園中学・高校」などの教育施設や「佼成病院」などの医療施設。さらには巨大コンサートホール(?)「普門館」やら何やらがひしめいていて、この地区はNHK村どころじゃない“立正佼成会村”になっているのだ。

 それにしても、人が宗教にかける情熱というものは、やはり半端じゃない。帰依するという行為には、間違いなく人の心の奥底に作用する何かがあるのだろう。

 言ってみれば、多くの日本人(私も含む)はそれを知らなさすぎる。だから、沙漠の国で起きるテロなどの“本来の思い”や、食物の禁忌、ブルカなども理解できない。果たしてそれは良いことなのか悪いことなのか。

 さて、都心に帰ろう。

 と、ペダルを踏みながら考えた。それにしても、法華系の新宗教は多い。その理由はもちろん教祖・日蓮上人にあるのだろうと思う。

 日本の風土には珍しく「戦う宗教」であり「政治的な宗教」。

 今、最後に向かっている、最大の政治勢力だって、もちろんそうした流れをくんでいる。それどころか、そうした雰囲気を最も色濃く持っているといえる。

日本最大の政治勢力 新宿区「創価学会」

 いったん都心に戻り、明治神宮外苑のいつもの道(毎月、自転車関連団体が何らかのイベントをやってるからね)を、通り過ぎていくと、いつしか信濃町(新宿区)の駅前に出る。

 JR総武線の上(新宿の新都心が見通せる)を横切り、慶應義塾大学病院の前を右手に入ると、おや、もうここは「どれが創価学会の建物?」どころじゃなく、全部が全部、学会系。“創価村”は、さすがというべきか、こういう都心の一等地に存在するのだ。

【次ページ】 にこやかなオバちゃんがやたらと多い信濃町界隈。

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