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“巨大宗教都市”としての東京を行く。
ご立派建築にイマドキの信心を見る。 

text by

疋田智

疋田智Satoshi Hikita

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photograph bySatoshi Hikita

posted2011/06/25 08:00

“巨大宗教都市”としての東京を行く。ご立派建築にイマドキの信心を見る。<Number Web> photograph by Satoshi Hikita

立正佼成会の大聖堂を望んでハイポーズ。とにかく圧倒的な存在感を誇る巨大建築です。一見の価値アリ!

にこやかなオバちゃんがやたらと多い信濃町界隈。

 どの建物にも「創価」または「SGI(創価学会インタナショナルの略)」の文字がどこかについていて、建物の屋上には、小さめの三色旗が翻っている。

 創価学会の三色旗は、ポール寄りから、濃青、濃黄、濃赤で塗られた旗で、青が「平和」黄が「栄光」 赤が「勝利」を表しているという。

 その三色パワーで公明党を動かし、日本の政治を動かしているというわけだ。ふーむ、というのか、やれやれ、というのか、何とも言えん。

 さて、信濃町。誰もが感じると思うけど、この街を自転車でぶらぶらしていると、オバちゃんが多いなぁ。それも「おめかしスーツ系」のちょい太めなオバちゃんが多い(気のせい?)。ちょっとにこやかで、どこか晴れがましそうで、そのスーツの色使いが明るめなのが印象的だ。

 事情通によると、創価学会という団体は、そもそもの成り立ちから言っても「中年女性による池田大作氏ファンクラブ」というような雰囲気を濃厚に持っていたのだそうだ。

 そうなのかもしれないな。ということは、この一帯はいわばそのファンクラブの総本山。地方の色々なところから、この地にやってくるんだろう。そりゃおめかしもするだろうし、スーツだよ。

 駅前の学会系雑貨屋さん(というのかな?)には、なんだか榊(さかき)のような、葉っぱがたくさんついた木の枝の束が大量に売ってある。造花ならぬ造葉(?)もあって、これが何だか分からない。

 5号サイズとか、Sサイズとか、いかにも当然という顔をしていて何の説明もない。学会員には当たり前のものなんだろう。だが、部外者にはさっぱり分からないんで、何だろうかと聞いてみたら「しきみ」というのだそうだ。

 長く緑を保つ常緑樹だそうで、学会員は仏前に花を供えるのではなく、この葉っぱを供えるのだという。

 ふーむ、初めて聞いた。人生やはり勉強だなぁ。世の中には知らないことがまだまだたくさんあるよ。

日本の「信教の自由」とは、いったいどういうものなのか?

 一説によると、日本のあらゆる宗教の信者数を合計すると、2億人にもなるのだそうだ。

 そんな馬鹿な。2億人? 全人口を超えてしまうではないの、とね。

 理由はいくつかあって、ひとつには、日本人が基本的に宗教に無頓着(葬式は仏式だけど、結婚式はキリスト教、初詣は神道、など)であることだろう。

 して、もうひとつが、それぞれの宗教団体が、信徒数を常に水増しして申告することだ。これをとって「だから宗教ってのは胡散臭い」「信用できない」なんて人も多いと思われる。しかしながら、実は私、そんなに「宗教」というものに拒否感はないのだな。

 拒否感どころか、それぞれの宗教の信者には、基本的に、好感と尊敬の念を持っているくらいだ。

【次ページ】 オウム以来、日本人は宗教を拒絶するようになった。

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