MLB Column from WestBACK NUMBER
「マツザカフィーバー」の陰で、
この男に期待!
text by
菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi
photograph byYasushi Kikuchi
posted2007/02/23 00:00
「せっかくのチャンスですからね。いろいろ話をしてくれるし、勉強になりました。彼のバッティングを見ること自体でも、いろいろ学ぶことができますから」
ボンズ選手との打撃練習が終わった後は、今度は熊澤氏と2人でもう一度打撃練習を行い、さらに守備練習、走塁練習をこなし、昼食後にはウェートトレーニング。「日々の体調によって量を変えています」ということだが、日曜日以外は毎日、このような練習を続けてきた。
「身体のほうもいいですし、気持ち的にも充実しています」
松井選手の笑顔がすべてを物語っているように思えた。そして熊澤氏も納得するほど、昨年以上に打撃の調子は上向いている。キャンプ地入りした際、ロサンゼルスの自主トレで使用してきた日本製の打撃マシンを持ち込んで、さらに打ち込みを続行。左右両打席ともに、センター方向を中心にライナー性の当たりを量産させているのを見ると、昨年から取り組んできた打撃フォームの改造がいよいよ本物になってきたとも感じた。
「僕は(先発2塁手の座が)確約だとは思っていない。この3年間、確約だと言われていながら、そこで力を出せなかった。そういう気持ちで(キャンプに)入りたくないし、2塁をとるという気持ちでやっていきたい」
シーズン前の首脳陣の構想では、右先発投手の時に松井選手、左投手の場合はピート・キャロル選手という先発2塁併用が濃厚な状況。スイッチヒッターの松井選手としては納得できないだろうし、オープン戦できちんと結果を残していきたい気持ちが強いようだ。
「やっぱりケガですね。成績は終わってからの結果ですから」
とりあえず自分なりのプレー・スタイルが固まりつつある今、松井選手にとって一番の課題は故障なくシーズンを過ごすこと。過去3年間、毎年のように大きなケガによる故障者リスト入りを経験しているだけに、この自主トレでは肉体面での強化にも余念がなかった。
今シーズンから背番号も西武時代の「7」に戻った。いろいろな意味で、今シーズンの松井選手が過去最高の活躍をしてくれそうな気がしてならないのだが……。