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「悔しさを幸せに変えられるように…」ロッテのドラ1ルーキー西川史礁“10試合で登録抹消”から再出発のいま…涙で打ち込んだ「死に物狂い」の日々
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梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph byChiba Lotte Marines
posted2025/04/23 06:00

二軍で汗を流す西川
一軍の試合のなかった4月17日には吉井監督がロッテ浦和球場で二軍戦(イーグルス戦)を視察した。この試合で西川は3安打を記録すると翌18日のスワローズ戦(ロッテ浦和)には5打数5安打と打ちまくった。
「今はとにかく結果と内容にこだわって、毎試合やるだけ。一喜一憂せずにしっかりと課題と向き合っていきたい」
復調への端緒を掴んだが、西川に浮かれるところはない。
同世代の活躍を刺激に…
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一軍では西川と同年代の若い選手たちの活躍が続く。4月16日のファイターズ戦(ZOZOマリンスタジアム)では、同い年のプロ5年目、山本大斗外野手がプロ初本塁打を放つなど活躍。4月18日のイーグルス戦(楽天モバイルパーク)では19歳の寺地隆成捕手がプロ初本塁打を含む2本塁打と派手な結果を出した。
他球団ではイーグルスのドラフト1位・宗山塁内野手もプロ初本塁打を記録するなど活躍を続けている。西川は、それらの映像もチェックし、刺激にしている。ただ、焦るつもりはない。大事なのは課題を克服し、成長した姿で一軍の舞台に戻ること。結果を出せる状態を作り上げ、呼ばれることだ。
西川は「大事なのは戻った時に活躍できること。そのために今、必死に頑張っています」と話し、独特の表現でこう続けた。
「この悔しさを幸せに変えられるように頑張ります」
順風満帆に見えたプロ野球人生はいきなりルーキーに厳しさを突き付けた。悔しさに押しつぶされそうになったこともあった。しかし、今はすべてを前向きにとらえられるようになっている。
「今この瞬間ではなくシーズンの最後にどんな成績を残せるかが大事だと思いながらやっています」
いつかプロ野球人生を振り返る時、1年目の春先の出来事があったから今があると思える日が来るように。背番号「6」はガムシャラな日々を送る。
