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「ジャイアンツ大嫌い!」ローズのブチギレ事件「巨人コーチが胸ぐら掴まれ…」80敗堀内巨人のウラ側…“史上最悪”新外国人は「4試合で電撃退団」
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中溝康隆Yasutaka Nakamizo
photograph byJIJI PRESS
posted2025/04/27 11:03

2004、05年と巨人を指揮した堀内恒夫監督。連敗後、ぶぜんとした表情でバスに乗り込む姿
「堀内監督には私の起用方法に対してとても気を遣ってもらいました。手術明けのシーズンということもあり、痛みがなくても、六連戦が組まれている週は一日休養日を与えてくれました。ということは、月曜日はもともと試合がないので一週間に二日は休養できるということになります。この配慮は本当に助かりました」(一瞬に生きる/小久保裕紀/小学館)
仙台に新球団の楽天が誕生した球界再編の直後、巨人も2005年を「改革元年」と位置付け、ビジター用のユニフォームは胸文字の「YOMIURI」を外し、YGマークのみのシンプルなモデルに変更。覇権奪回を掲げ、抑え候補に新外国人選手のダン・ミセリを獲得する。メジャー通算41勝35セーブ。マイナーを含めるとプロ15年間で19チームを渡り歩いた経験豊富な34歳のベテランだったが、2005年開幕の広島戦で1点リードの9回表にマウンドへ上がるも、2発の本塁打を浴び逆転負け。チームもここから開幕4連敗と最悪のスタートとなった。
その後も炎上を繰り返し、4月19日、開幕からわずか15試合でミセリの電撃退団が発表される。4試合で0勝2敗、防御率23.63の投球内容に首脳陣も二軍再調整を勧めたが、右肩痛を訴えるミセリは契約内容を盾にこれを拒否。19日に東京ドームのロッカーでさっさと荷物をまとめて帰宅した後、浅草でご機嫌に人力車に乗り観光を楽しむ様子が報じられた。なお、ミセリはオフに一度は現役引退を決意していたが、そこに当時の年俸の約3倍の巨額サラリーを提示してきたのが日本の巨人だったという。完全な球団側の調査不足である。
「ジャイアンツ大嫌い!」ローズぶちギレ事件
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さらに2005年の堀内巨人の苦難は続く。直後の4月26日、福岡遠征中のヤクルト戦で前年の本塁打王タフィ・ローズが外野守備の怠慢プレーから勝ち越し点を許し、ベンチで弘田澄男守備コーチから注意されると、弘田コーチの胸ぐらをつかんで暴れるのだ。
帰りの通路で報道陣に「ジャイアンツ大嫌い! トーキョー帰る!」なんてまくしたてるローズ。結局、首脳陣批判に球団から罰金200万円を科せられ、のちに堀内監督は「あそこでローズを切っておけばよかった」と回想している。