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「“脇役”でもスターのように輝く」八村塁27歳、NBAレイカーズ3年目で確立した“コネクター”という役割「ルイはものすごく重要な選手でした」
posted2025/05/09 11:02

NBAレイカーズ加入3年目を終えた八村塁(27歳)。チームはプレイオフ1回戦で敗退したが、指揮官の信頼を勝ち得たシーズンとなった
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宮地陽子Yoko Miyaji
photograph by
Getty Images
NBAコーチたちが好んで使う表現に、「それぞれの役割においてスターになる」という言い回しがある。スーパースターではない、“脇役”と言われるような選手たちでも、それぞれが与えられた役割のなかで能力を発揮することでスターのように輝く、という意味だ。
ロサンゼルス・レイカーズのヘッドコーチのJJ・レディックは5月1日、24-25シーズン終了会見で、その表現を使って八村塁に称賛を送った。
「私たちは選手たちに、それぞれの役割を務めることでスターになるように求めてきましたが、ルイはチームの中でも誰にも負けないぐらい自分の役割を前向きに受け止め、シーズンを通して役割のなかでスターになっていました」
NBAで長くプレーするための鍵
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NBAに入って6シーズン目、レイカーズに移籍して3シーズン目。八村はNBA選手として転換期と言えるようなシーズンを送った。スタッツだけ見ると、平均13.1得点、5.0リバウンド、1.4アシストと、昨季から大きく変わったようには見えないかもしれないが、八村自身のアプローチにも、そしてまわりの評価にも変化があった。
オールスター選手になるための練習をするのではなく、チームに貢献できる選手になるための練習をするという意識の変化。そして、主に得意なことでチームに貢献する選手から、チームのシステムのなかで求められたこと何でも全力を尽くし、チームに貢献する選手への変化。
八村の中では、昨季が終わった頃からそういった意識の変化が始まっていた。昨シーズン終了直後に八村は、「スーパースターとかオールスターになるためにいろんなことを練習するより、チームのためになる練習をしたほうがいい」「どのチームでもシステムが大事。システムに合った自分の強み、弱みをわかって、そこを集中的に練習するべき」と言っていたのだ。
今シーズン前のトレーニングキャンプ中にも、「コーチが使いやすかったり、チームメイトからもいっしょにやりやすいと思われるプレイヤーになることがNBAで長く続けるための鍵。そこは意識してやっている」と言っていた。そういったことを、実行に移したシーズンだった。