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大谷翔平のある写真「2度と撮影できないです」今では信じられない“メジャー1年目”の姿とは? カメラマンが語る秘話「大谷選手らしさって…」
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byNanae Suzuki
posted2025/03/26 11:11

2戦目でホームランを放ち、東京ドームの大歓声に応える大谷翔平
「凄すぎるのに朗らか。それって両立するんだ(笑)」
北海道日本ハムファイターズ時代から数えて、計13号の『Number』表紙写真を撮影し、日米のフィールドでその躍動にシャッターを押し続けてきた鈴木から見た、大谷の凄さとはどこにあるのだろうか。
そう尋ねると、「不思議な人間だなと思っていて。凄すぎるのに、こんなに朗らか。それって両立するんだって」と笑ってから、教えてくれた。
「誰も成し遂げたことのないことを切り拓こうとしていて、大谷選手にとっての価値基準は、そこに突出していると思う。投打両方やることが、優先順位としてかなり高いことを、撮影の中でずっと感じてきました。そんなの無理なんじゃないかと語る人がたくさんいた中で、常識を一つ一つ打破し、だんだん周囲に多くの人が集まり……という不思議さもあります。
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常人には理解はできないことばかりですけど、道を拓いていく過程に、やっぱり目が離せないんです」
今見ると衝撃的な“2枚の比較写真”
今回の開幕シリーズの撮影を終えた鈴木がNumberの編集部に届けた写真フォルダ。選手たちによる熱戦の記録を、鈴木は“2つの方向”から届けようとしていた。
一つは、顔の汗まで鮮明に刻印された“寄り”の写真。MLBデビュー戦で、開幕シリーズの先発という大役を任された23歳の緊張はどれほどのものだっただろう? 本当の答えは佐々木朗希本人にしかわからないが、撮影された写真は十分な想像の余地を示している。
そしてもう一つが“引き”の写真。鈴木が今シリーズ“お気に入りの1枚”として挙げたのが、ホームランを放った大谷が、ベンチに戻りながら観客席のファンたちに右手をあげて応えた場面をおさめたもの。
大谷に大声援を送る東京ドームのファン、出迎えるデーブ・ロバーツ監督、右側ではキケ・ヘルナンデスが(おそらくタブレットを見ながら)次の打席の対策を練っている。
「これは好きな構図なんです。じっくり見て、いろいろなことが読み解ける、見返しても楽しい写真かなと。ロバーツ監督が真顔なのも面白かったり(笑)。じわじわと、見る人が思い思いに感じ取れるようなものも、いいなって」
そう語る鈴木が“ある写真”を見せてくれた。