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「すみません、阪神には行けません」星野仙一に断りの電話、その返事は? 原辰徳に誘われて巨人入り、メジャー球団の契約破棄も…中日“あの1億円エース”の今 

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岡野誠

岡野誠Makoto Okano

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posted2025/01/30 11:04

「すみません、阪神には行けません」星野仙一に断りの電話、その返事は? 原辰徳に誘われて巨人入り、メジャー球団の契約破棄も…中日“あの1億円エース”の今<Number Web> photograph by JIJI PRESS

野口茂樹は原辰徳とも浅からぬ縁があった

「しゃあないなって(笑)。新聞報道を見ると、阪神のほうが条件は良かったみたいです」

東京で電車通勤…巨人時代の苦悩

 通常、FA移籍をすれば、年俸は上昇する。しかし、巨人は野口と現状維持の1億円で2年契約。付帯条項もほとんどなかった。

「契約金は6000万円ありましたけどね。その他のコーチ契約とかには興味なかったんですよね」

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 野口は野球ができれば良かった。車も運転せず、中日時代は10年目まで寮暮らし。11年目からはホテルに住み、巨人移籍の14年目で初めてマンション生活を始めた。

「新幹線にすぐ乗れるから、品川駅の近くに住みました。でも、自主トレの時、タクシーでジャイアンツ球場まで行ったら1万6000円もしたんですよ。半月で50万円ですよ。だから、新宿まで出て京王線を使うようにしました。そしたら『電車男』って言われましたけど」

 06年は左肩痛もあって1試合の登板に終わり、移籍2年目はリリーフに配置転換される。だが、開幕から1カ月が過ぎた頃、身体が悲鳴を上げる。巨人が通算5000勝を挙げた翌日の中日戦だった。

「ヒジの外側に初めて衝撃が走りました。先発慣れしていたので、ブルペンで40~50球放らないと肩が温まらない。出番が延びて、作り直すと、1日でかなりの球数になっていたんです」

わずか3年で巨人戦力外

 痛みを堪えて、ショートリリーフを成功させていたが、8月8日の阪神戦で6失点と炎上すると、翌週に二軍落ち。契約更改では1億円から巨人史上最大の75%減の2500万円を提示された。年俸を受け入れると、さらなる非情通告が待っていた。

【次ページ】 メジャー球団の契約破棄も…

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