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球界に激震「ソフトバンクで高卒の育成入団は厳しい」育成ドラフト“まさかの入団辞退”ウラ側…現地で聞いた本音「二軍も出られない」優勝チームのジレンマ 

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田尻耕太郎

田尻耕太郎Kotaro Tajiri

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photograph byNanae Suzuki

posted2024/12/04 17:00

球界に激震「ソフトバンクで高卒の育成入団は厳しい」育成ドラフト“まさかの入団辞退”ウラ側…現地で聞いた本音「二軍も出られない」優勝チームのジレンマ<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

ソフトバンク育成ドラフト1位・古川遼投手の入団辞退。なぜ起きたのだろうか

「二軍公式戦には育成選手が1試合につき5名までしか出場できない制限が設けられています。育成選手の人数自体が以前に比べて格段に増えて50名程度。高卒まもない育成選手が二軍戦に出場するのが難しい状況になっているのです」

成功した過去…球団のジレンマ

 それを聞いて、改めて支配下昇格を果たした過去の例を振り返ってみると、ある事に気づく。過去5年の育成ドラフト入団組から今季までに9名が支配下昇格されたのだが、高卒入団からそれを勝ちとったのは今年が入団5年目だった石塚綜一郎の1名のみだった。なお、その前の5年間(2014年~2018年)では支配下登録された7名のうち4名が高卒入団だった。「難しい状況になっている」のは数字にはっきり現れているのだ。

 とはいえ、だからソフトバンクの球団運営が悪いのかと言えば、それは違うだろう。この育成システムが存在しなければ千賀や甲斐をはじめとした多くの選手がプロ野球の世界に飛び込む機会はなかったかもしれない。

 かといって選手側に非があると決めつけるのもよくない。このような話題になると必ず「プロ野球は厳しい世界だ」「それを承知で入ったのではないか」といった声が上がる。

 しかし結局は、NPB12球団の球団育成システムの規模にバラつきがあるため、このような不満がどうしても生まれてしまうわけだ。ソフトバンクは球界唯一の四軍制を敷く独自路線のジレンマが浮き彫りになった。

 永井本部長も「こういうこともあると受け止めているが、難しい。選手の思いは当然、揺れ動いたりするところもある。そのあたりは我々も調査はより深めてやっていきたいと思う一方で、人の気持ちをどこまで読めるかは難しい。『育成でいきます』と言って、こちらが評価した選手であれば、今後も指名していくことになる。指名後に選手の気持ちが変わってしまうことは仕方ないと思います」と古川の心情をおもんぱかりながらも、頭を悩ませている様子を見せていた。

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