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ぶら野球BACK NUMBER
巨人OBが猛批判「まず落合を切れ!」落合博満40歳が巨人1年目で四番を外された試合…代役は松井秀喜でも原辰徳でもなかった「すみません、落合さん…」
text by
中溝康隆Yasutaka Nakamizo
photograph bySankei Shimbun
posted2024/11/29 06:00
“師匠”落合博満から打撃のアドバイスを受ける長嶋一茂(1992年撮影)。落合の巨人移籍前から交流があった
V9戦士だったミスターにとって、最近のここぞという時の耐える力がない若い選手たちは頼りなく見えたが、だからといって厳しく怒っては萎縮して持ち味が消えてしまう。そんなとき、百戦錬磨の落合の存在は有り難かった。だが、一方でチームの調子が落ちるとオレ流の振る舞いは、すぐさま獲得時に反対していた巨人OB陣の批判の対象になってしまう。「週刊宝石」1994年9月29日号の青田昇と千葉茂の長老対談では、両者ともに背番号60に対して辛辣なコメントを残している。
〈青田「確かに落合効果というのはあった。でもそれは味方やなしに、敵のほうじゃないか。マスコミのせいよ。中日の落合ならそんなことはしないのに、巨人の落合は怖いぞ怖いぞと煽った。それでビビッて、四球出して後ろにつないでしまう。(中略)でも実際は145キロの球を外角低めかインコースに放ったら打てないのよ。偶像が崩れた」
千葉「来年か、いらんのを切ってな。まず落合を切る。ナベツネがどうしても優勝したいから入れたかもしらんけど、10億も払ってな。金にあかしたらチームは育つ努力をしなくなるものなんだ。あとの古手もやめさす。原とかな」〉
「代打・長嶋一茂」のサードゴロ
その怒りは原辰徳にまで飛び火したが、ようやく8連敗を止めた直後の9月7日の横浜戦、7回に打席に向かおうとした六番打者の原に「代打・長嶋一茂」が告げられる事件があった。若大将の凋落を象徴するシーンに東京ドームがどよめく中、右打席に入った一茂は、初球をひっかけサードゴロに倒れた。
「起用法については、どうのこうの、いいたくないよ。しょうがないだろう。代えられたことは、そりゃあ悔しいといえるけど、それ以上は、ね。まだ試合も残っているんだし、最後まで全力を尽くすよ。(中略)これ以上やってる(しゃべってる)と、変なことをいっちゃうから……」(週刊ベースボール1994年10月3日号)