ぼくらのプロレス(再)入門BACK NUMBER
「孫に、いじめとかあったけどね」罵声と生卵を浴びた“極悪レフェリー”の告白 「あんなレフェリー辞めさせろ!」全女コミッショナーすら激怒した
posted2024/11/28 11:02
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph by
AFLO
Netflixのドラマ『極悪女王』のヒットによって、今ふたたび、ダンプ松本やクラッシュ・ギャルズが活躍した80年代の女子プロレスが注目を集めている。芸人・玉袋筋太郎、構成作家の椎名基樹、プロレス格闘技ライターの堀江ガンツの3人が、当時の女子プロレスラーや関係者にインタビューした『玉袋筋太郎の全女極悪列伝』(白夜書房)より、2013年に収録した“極悪レフェリー”阿部四郎の生前のインタビューを抜粋して紹介する。今では考えられない、あの時代の女子プロレスの実態とは?《全3回の最終回》
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阿部 いやー、興行師としてはよかったけど。俺はレフェリーのギャラもらえなかったしなあ。
玉袋 えぇ!? もらってないんですか?
阿部 くれねえんだもん。
椎名 くれない(笑)。
阿部 だから俺んところに国税局も来たよ。「あんた、ごまかしてんじゃないか」って。
玉袋 極悪同盟に国税が入っちゃったよ(笑)。
椎名 じゃあ、それは全女がごまかしてたってことなんですか?
阿部 そうなんじゃないの?
玉袋 でも、当時は手打ち興行で現金収入でボコボコ入ってきちゃうからごまかし放題でしょ。
阿部 当日券やらグッズやらが飛ぶように売れて、お札が段ボールに収まんなくて、足で踏んでたよ。
玉袋 全女のストンピング伝説ですよね。カネが入ってきちゃって入ってきちゃって、足で踏みつけるという。
椎名 それでもレフェリーのギャラは払わない(笑)。
マッハ文朱は“ギャラが安いから”辞めた
玉袋 デタラメだよな~。で、全女のいちばん最初のいい時期っていうのは、マッハ文朱さんの頃ですか?
阿部 あれはビューティなんかほどじゃないけど、まあ良かったね。でも文朱は、お母さんに「ギャラが安いから辞めろ」って言われて辞めちゃったの。
ガンツ そういうことだったんですか(笑)。