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佐々木朗希のメジャー挑戦批判に“2つの誤解”…あるMLBスカウトの本音「大学生の1位指名と同じだ」 獲得に乗り出す球団の“現実的なプラン”
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byJIJI PRESS
posted2024/11/11 17:25
メジャーリーグへの挑戦表明で注目が集まる佐々木朗希
23年度の全米ドラフト全体1位指名で今季メジャーデビューを果たしたパイレーツのポール・スキーンズ(22)は、今年の5月11日にメジャーデビューし、23先発で133回を投げ、11勝3敗、防御率1.96をマーク。新人王の有力候補にあがっている。ポテンシャル的には即戦力であったにも関わらず、彼もまた23年はマイナーで基礎体力、技術を養い、24年も傘下3Aインディアナポリスで7試合、27回1/3のマウンドを経てからメジャーに上がった。
米国ではたとえ実力があっても、段階的にレベルを上げ、投球回数を増やし、肩・肘を含めた体の耐久性を養っていく。それが普通だ。ワイン同様に“若手選手は充分に寝かせて育てる”という言葉もある。
では、最も現実的な“育成プラン”は?
先のスカウトが明かしたように、佐々木の年齢、日本での登板間隔やイニング実数を考えれば、1年目からのフル回転など、求めるわけもない。「プロスペクトを加える」の意味は、“即戦力を加える”ではない。
どの球団でも育成プランはA、B、Cと様々用意するだろう。最も現実味があるプランは、1年目はメジャーで90回、2年目は120回と段階的にイニングを増やし、3年目で162回の規定投球回数をクリアする。それが現状での『23歳佐々木朗希の米国流育成法』だろう。
焦らず、ゆっくり。熟成の時を待ちながら、大きく花を咲かせる。佐々木朗希の未来を考えれば、時期尚早なメジャー移籍とは思えない。