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「正直、立浪監督でもう1年見てみたかった」中日の低迷にOB小笠原道大が本音…“新庄監督で躍進”日本ハムとの違い「勝てるようになった要因は…」 

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曹宇鉉

曹宇鉉Uhyon Cho

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posted2024/10/23 11:51

「正直、立浪監督でもう1年見てみたかった」中日の低迷にOB小笠原道大が本音…“新庄監督で躍進”日本ハムとの違い「勝てるようになった要因は…」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

今季最終戦後のセレモニーでファンの声援に応える中日の立浪和義前監督。10月6日、バンテリンドーム

小笠原道大に聞く清宮幸太郎の覚醒「ようやくサビが…」

――小笠原さんにとってもうひとつの古巣である日本ハムについても聞かせていただければ。新庄剛志監督就任後、2年連続の最下位から一気に2位に躍進しました。中日とは対照的な結果と言えますが、この要因をどう見ていますか?

小笠原 コツコツですよね、ファイターズは。ピッチャーは伊藤大海が頑張っていましたけど、飛び抜けた選手はいない。加藤貴之、山﨑福也、金村尚真、北山亘基と何人かでうまく回していった。打線も大量点はないけれども、粘り強く、少ないチャンスをものにしていった印象があります。ちょうどCSのロッテ戦(2戦目、3戦目)みたいなイメージですね。ある意味でアクションが少なくなったぶん、勝てるようになったのかな、と。

――アクションが少なくなった、というのは?

小笠原 去年までは毎日メンバーを変えたり、ベンチワークもさまざまなことを試していましたけど、底上げされた現有戦力と外から来た選手が噛み合って、チームとしてまとまってきた。シャッフルしていたものを動かさなくてもよくなったが故にこの順位になった、というイメージです。

――新庄監督のもとで万波中正、郡司裕也、田宮裕涼、水野達稀、水谷瞬と多くの若手野手が芽を出していきましたが、なかでも印象的だったのが清宮幸太郎の後半戦の活躍です。規定打席には未到達でしたが、打率3割、15本塁打をマークしました。

小笠原 清宮は元々、体が非常に弱かったんです。ただ、プロに入ったときから打球を飛ばす能力、リストの柔らかさはすごかった。よく覚えているのが高卒1年目のフレッシュオールスターのフリーバッティング。その時点で村上宗隆(ヤクルト)が群を抜いていたんですけど、打球の角度や柔らかさは清宮も天性のものがあった。それが2020年に僕が打撃コーチとして日ハムに入ったときには「あれ? どうしちゃったのかな」と……。体の使い方、機能性、バットを振る体力、ぜんぶ足りなかった。まず体力強化から始めなきゃ、というレベルでした。

――実際、2020年は打率1割台、翌21年は一軍出場なしです。

小笠原 やっぱり体が強くないと、どれだけ天性の能力があっても発揮できない。そのあとに新庄監督が「体を絞れ」と言って、ようやくサビが取れたのかな。絞れた体でやっていくうちにいいときの自分を思い出して、考え方もシンプルになり、今年こうやって結果が出たのかなと思います。あとは1年間しっかりプレーできるようになってほしいですね。

【次ページ】 退任した名将たちの「厳しい言葉」に思うこと

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