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英国人記者が断言「日本代表の質はアジアで圧倒的。ケイト・ナカムラ…サブもだ」ただ“ライバル弱体化”は「日本の有益にならない」と懸念
posted2024/10/20 11:04
text by
マイケル・チャーチMichael Church
photograph by
AFP/JIJI PRESS
勝ち点差5…もっと広がっていてもおかしくない
5ポイント──W杯アジア最終予選のグループCで、首位の日本と後続の間に横たわる勝ち点差だ。4試合を終えた現在、もっともタフに見えるグループで他の組よりも大きな差がついているが、現在の日本の力と各国の現況を考慮すれば、もっと広がっていたとしてもおかしくはない。
直近の相手のオーストラリアでは、グレアム・アーノルド前監督がエネルギーとアイデアを失い、先月に辞任。後任のトニー・ポポビッチ監督が選手たちを奮起させ、現実的な手法を用いていなければ、埼玉スタジアムから勝ち点を持ち帰ることはできなかったはずだ。
ポポビッチ新監督によって、サッカールーズ(オーストラリア代表の愛称)はより強靭になった印象だ。現在の同代表には、技術的な才能よりも、フィジカルや精神的な強さを特長とする選手たちが揃っている。現役時代にサンフレッチェ広島などで活躍した元DFの指揮官は、鉄の意志と強固な組織力をチームに植え付けている。
今の日本は雰囲気を…ケイトがそうだった
10月15日の日本戦でも、開始からすぐに新監督の影響が見て取れた。
5バックを敷き、その前には4人のMFを並べ、カウンターアタックを狙う。森保一監督率いる日本は、同等レベルの相手にこうした戦術を用いられると、手こずることが多い。カタールW杯のグループステージでドイツとスペインを下しながら、引いて逆襲を狙ってきたコスタリカに敗れたように。
取り立てて危険にも見えなかったルイス・ミラーのクロスを、集中力を欠いた谷口彰悟が自らのゴールに蹴り入れてしまったとき、2年前のコスタリカ戦が頭をよぎった。だがアジアレベルでは、今の日本の選手層は群を抜いており、試合のリズムや雰囲気を一気に変えられるサブが何人もいる。
この日はそれが中村敬斗だった。