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英国人記者が断言「日本代表の質はアジアで圧倒的。ケイト・ナカムラ…サブもだ」ただ“ライバル弱体化”は「日本の有益にならない」と懸念
text by
マイケル・チャーチMichael Church
photograph byAFP/JIJI PRESS
posted2024/10/20 11:04
W杯最終予選オーストラリア戦で重要な役割を果たした中村敬斗。英国人記者も日本の選手層の厚さを高評価している
スタッド・ランスでプレーする24歳は、左サイドを巧みに突破して鋭いボールを入れ、キャメロン・バージェスのオウンゴールを誘った。
日本はこの得点を含め、最終予選の4試合で75分以降に6ゴールを決めている。1点差だけでは、今の日本から逃げ切るのは至難の業だ。
また今回の日本のスクアッド(陣容)のうち、実に22人が欧州のクラブに所属している。かたやオーストラリアには、欧州でプレーする選手が4人。しかもそのほとんどがレギュラーではない。個々のクオリティーの差は圧倒的だ。
なぜ近年のオーストラリアは“サッカー人材難”なのか
かつてはオーストラリアからも、ハリー・キューウェルやマーク・ビドゥカ、ティム・ケーヒルといった一線級が生み出されていた。しかしここ10年以上、彼らと同等のタレントは出てこなくなっている。
その理由として考えられるのは、同国におけるフットボールの捉えられ方にある。ラグビーユニオン、ラグビーリーグ、オーストラリアンフットボールといった競技が盛んなオーストラリアでは、多くの少年たちがそれらを選択するため、サッカーは人材難に陥っている。
それから、これはアメリカなどにも言えることだが、強欲なユースアカデミーやユースクラブが法外なレッスン料を取るため、恵まれない家庭の子は才能があってもプレーを続けられない状況にある。またAリーグの試合数が少なく、若手の出番が限られてしまっている。
昨年、アーノルド前代表監督は言った。
「Aリーグはもっと多くの試合を組むべきだ。シーズンに25試合では十分ではない。次のレベルへ進むべき若者は多いが、成長するためには試合に出る必要がある。もしあなたがゴルファーで、ハンディキャップを少なくしたければ、何をする? もっと試合に出るよね。その点ではフットボールも同じだ。もちろんチームスポーツではあるが、個人能力が極めて重要であることも事実だ。だからリーグ戦の数を増やし、若者たちの夢の成就を後押しする必要がある」
マンチーニ監督もお手上げ…サウジには別の問題が
サウジアラビアはまた別の問題を抱えている。