甲子園の風BACK NUMBER
大社の快進撃を見た“ある指導者”の後悔「隠岐の子たちに…責任感じる」野球部“5年後は3割が危険ライン”の報道も…連合チームで甲子園は可能か?
text by
樫本ゆきYuki Kashimoto
photograph byHideki Sugiyama
posted2024/09/11 11:03
今夏の甲子園で旋風を巻き起こした大社高校
「久留米高専の古賀敏光監督は柳川商からスリーボンド(社会人チーム)で活躍された名選手で、1973年夏の選手権では江川卓投手擁する作新学院と戦っている方です。そんな方が5年前に外部コーチとしてうちに来て下さり、わかりやすい技術指導や、社会人に大切な『キャリア教育』を学生たちに教えてくれています。元気印の永田監督(久留米筑水)と、レジェンド古賀監督(久留米高専)の化学反応が楽しみです」
部員増か、連合か…挑む指導者たち
朝日新聞社が今年4~6月に加盟校約3800校に「5年後に単独チームとして地方大会に出場できる見込みはあるか?」とアンケートで質問をした。全国47都道府県3239チームが回答し、約3割の28.7%(930チーム)が「いいえ」と答えたそうだ。(※『夏の高校野球、3割が単独出場「5年後は見通せず」 朝日新聞調査』より/朝日新聞デジタル8月5日)
これが現状だ。5年後、10年後の高校野球はどうなっていくのかと考えたとき、単独チームの減少が避けられない現実は、直視しなければならない。
しかし、逆に言えば従来の高校野球を見直すべき時が来たともいえる。情報科学、南三陸、久留米高専のように救済措置を利用して前向きに勝利を目指す連合チームが登場。かたや加美農・佐伯監督のように部員数を増やしながら小規模野球部の指導法を全国に広める指導者たちがいる。どちらのアプローチにも確かな希望が宿っている。