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五十嵐亮太が直撃! MLB日本初公認のツアーで、JTBが考える新しいスポーツ観戦スタイルとは?
posted2024/09/11 15:00
text by
五十嵐亮太Ryota Igarashi
photograph by
Takuya Sugiyama
オフィシャルだからできる贅沢な体験
――そもそもMLBのオフィシャルパートナーになった経緯はどのようなものだったのでしょう?
JTB五十嵐 2014年からスポーツの専門部署ができまして、私はその室長をやっていたんです。ラグビーワールドカップ2019日本大会や、東京オリンピック2020など、さまざまなスポーツイベントのど真ん中で仕事をしてきました。次のビジョンとして、野球にアプローチしたいという想いがあり、MLB側にパートナーシップを結びたいというお話をさせていただいたんです。
――MLBに正面切って話を持ちかけるなんて、思い切ったことをされましたね?
JTB五十嵐 たしかに、あまり先行例はないのではないかと思います。そこでまず足掛かりに2023年のワールド・ベースボール・クラシックに関して契約をさせてもらいました。ここでかなり手応えがあって、2023年の夏にシアトルで行われたオールスターゲームに行った時に再度「MLBと直接一緒に仕事をさせてもらいたい」という話をしました。
――以前から継続的に話をし続けてきたということも大きかったんでしょうね。MLBとの契約って大きなビジネスの話ですから。
JTB五十嵐 そうですね。定期的に私もアメリカに足を運んでコミュニケーションを取ってきました。ルールも法律文化も違いますから、簡単ではありませんでしたが、野球に携わりたいという私自身の強い思いもあったので、実現したときは本当に嬉しかったです。
――これ、凄いことなんですよ。第1号ですからね! あんまり言いすぎるとかっこ悪いと思って五十嵐さんは言わないけど(笑)。
JTB五十嵐 いえいえ(笑)。そして最初に実現したのが、今年3月に開催されたワールドツアーソウルシリーズ開幕戦でのツアーでした。試合観戦はもちろんですが、チームの公式練習中にお客様に実際にフィールドに降りて間近でバッティング練習を見てもらうこともできました。
――え? ちょっと待ってください。そもそも普通にチケットが手に入らない状況でしたよね。
JTB五十嵐 そうですね。ツアーも即完売が予見できたので抽選にさせていただき、確か200倍以上だったかな……。ドジャースは大谷翔平選手、山本由伸投手、パドレスはダルビッシュ有投手、松井裕樹投手と4人の日本人選手も出場しましたから、お客様にも楽しんでいただけたと思います。
――すごい……。単に観客席で試合を見るだけでなく、グラウンドに降りるとかそういった特別な体験もできるんですね。
JTB五十嵐 目線が違うところから試合を見ることができたり、一般のお客様より先に球場に入ってバックヤードを見ることができたり、朝早く行ってフィールド内でキャッチボールをしたりと、色々なことを企画しています。今年のオールスターにお連れしたお客様には、恒例のレッドカーペットショーやホームランダービーもあわせて見ていただきました。バルコニーを貸切にして、VIPエリアにも入れるような特別な体験も大変ご好評いただきました。
――贅沢な体験ですね。それが出来るのもオフィシャルパートナーだから、というところなんでしょうか。