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《独占インタビュー》大迫傑が語るパリ五輪マラソン「表彰台を目指したいと強く望んでいる自分がいる」 “史上最難関コース”にどう挑むか
text by
涌井健策(Number編集部)Kensaku Wakui
photograph byShota Matsumoto
posted2024/08/10 11:00
パリ五輪直前の合宿地スイスでインタビューに応じた大迫傑
「シューズ開発と同じで、アスリートも常に変化しないと世界(の最先端)についていけなくなってしまう。長い目で見るとそれが怖いんです。怖さ、言い換えれば自分が活躍できなくなることへの緊張感ですね。NIKEの厚底はシューズ界全体をフルモデルチェンジさせたわけですけど、マイナーチェンジを積み重ねることも大切。僕らも現時点の自分が『正解』だと思っても、変わり続けなければいけないんです」
今回、この発言を改めて深掘りした。
――なぜ変わり続けられるのでしょう?
「過去の小さな成功例に捉われることなく、自分と向き合っているからだと思いますし、3年前と比較したときに今は全然違う自分になっていると感じます。でも、変わっているのは外側だけ。ポルシェは車種やデザインが変わってもポルシェですよね? フェラーリはフェラーリですよね? 同じように外側が変わっても不変の“コア”はあって。そのコアを保ちながら、その時その時で、体を仕上げ、目の前の練習に取り組み、レースでベストを尽くしていくと、外側は自然と変わっていく。だからマイナーチェンジは結果論かもしれません」
――東京五輪の時は、直前の引退表明もあり、言葉から後輩たちへ変化を促すようなメッセージが滲み出ていました。
「言葉にしないだけで、今も後に続く選手が世界を目指す上での指標でありたいし、育成にも興味はあります。日本の場合はよくも悪くも駅伝があって、箱根やニューイヤーの走りで評価される。でも視座が国内で固定化されるので、世界の中での“相対的な立ち位置”がわかりにくくなってしまうんです」
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