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「そんなことするのはアホです」スターダム社長が否定したこと…敗者引退マッチに電撃移籍、激震が走るスターダムの未来とは?

posted2025/05/08 17:04

 
「そんなことするのはアホです」スターダム社長が否定したこと…敗者引退マッチに電撃移籍、激震が走るスターダムの未来とは?<Number Web> photograph by Norihiro Hashimoto

「敗者引退マッチ」を終えた中野たむと上谷沙弥

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橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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Norihiro Hashimoto

 スターダムを“激震”が襲った。そう言って間違いない。

 4月27日の横浜アリーナ大会。メインイベントのワールド・オブ・スターダム選手権試合は「敗者引退マッチ」として行われた。チャンピオンの上谷沙弥が勝って王座防衛。敗れた中野たむは引退となった。

 それも日をあらためての引退試合、引退セレモニーなどがない“即引退”である。4月27日をもって、中野たむはプロレス界から“消えた”。

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 翌28日の一夜明け会見では旗揚げメンバーである“スターダムのアイコン”岩谷麻優が退団を発表した。岩谷は5月1日、スターダム創設者ロッシー小川が昨年、設立したマリーゴールドへの入団会見を行っている。

 スターダムの一夜明け会見ではトップ選手である舞華の負傷箇所を治療するための長期欠場もアナウンス。また白川未奈は3月いっぱいで退団し、アメリカのAEW所属に。

 たむ、岩谷は団体の2大タイトルであるワールド王座(赤いベルト)、ワンダー・オブ・スターダム王座(白いベルト)の戴冠経験者。舞華は赤いベルト、白川は白いベルトを巻いたことがある。つまり団体の中心選手が一気に退団あるいは長期欠場。相当な戦力ダウンだ。

戦力ダウンは「もちろん、非常に痛いです」

 この状況をどう捉えるか。筆者の取材に、社長である岡田太郎は「もちろん、非常に痛いです」と率直に答えた。

「それは当然ですよね。お客さんにとっても残念だと思います。“ふざけんな!”と思われても仕方がない。ただ、こればっかりはどうしようもない部分もあります」

 4.27横浜アリーナ大会、たむは引退をかけてメインのリングに立ち、敗れた。岩谷はIWGP女子王座を朱里に奪われ「スターダムでやれることはやり切った」と感じて退団を決めている。舞華はセンダイガールズの橋本千紘に負けて「もっと強くなるために」と治療に専念することを選んだ。年間最大のビッグイベントが節目となったのだ。岡田は言う。

「プロ野球のシーズンオフではないですが、大きな節目の後に選手、戦力に変化が生まれるのはいろいろな世界であることですよね」

 オリンピックやワールドカップもそうだ。「この大一番までは頑張ろう」、あるいは「ここでメダルを逃したら引退」など、大きなイベントほど選手の“選択の場”になりやすい。スターダムでいえば、横浜アリーナ大会がそうだった。

【次ページ】 新たな道を模索する選手たちも…

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