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米老舗メディアも「A+の評価に値する」と絶賛も…ドジャース・佐々木朗希の“魔球”が輝く条件は?「NPBでは見られなかった制球の乱れが…」

posted2025/05/02 06:01

 
米老舗メディアも「A+の評価に値する」と絶賛も…ドジャース・佐々木朗希の“魔球”が輝く条件は?「NPBでは見られなかった制球の乱れが…」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

他の投手と比べても図抜けた特徴を持つロサンゼルス・ドジャースの佐々木朗希のスプリット。その「魔球」をピッチングに活かすことはできるか

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一野洋

一野洋Hiroshi Ichino

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 鳴り物入りでMLBのトップ球団へと移籍した佐々木朗希だが、開幕1カ月が経ってもなかなか勝ち星に恵まれずにいる。開幕から6試合に先発したものの、いまだ未勝利。もちろん勝利投手となるには運の要素が多分にあるとはいえ、当人も日本のファンもヤキモキする日々が続いている。そんな大型ルーキーの大きな課題のひとつと言われているのが「制球難」だが、実はそのウラには最大の武器でもある“魔球”の存在があるという。現地メディアの報道から読み解く、ロウキ・ササキの現在地とは?《NumberWebレポート全2回の2回目/最初から読む》

 今季からロサンゼルス・ドジャースに移籍した23歳、佐々木朗希の持つ最大の武器のひとつがスプリットである。

 佐々木のスプリットは、MLB公式サイトが「極端な落差を生む」「MLB最少のスピンレート(1分間のボールの回転数)」と驚嘆し、米スポーツの老舗専門メディア『Sports Illustrated』が「A+の評価に値する」と称賛したほどの超一級品だ。

千賀の“お化けフォーク”以上のスプリット

 平均スピンレートが、メジャーリーグ全体でのスプリットの平均1302rpmより遥かに少ない491rpm。日本時間4月27日のピッツバーグ・パイレーツ戦で投じた一球は実に391 rpmを記録している。“お化けフォーク”とまで呼ばれるニューヨーク・メッツの千賀滉大のフォークですらスピンレートは1100rpm前後であることを考えると、異常と言っていいレベルの数字である。

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 当然ながらスピンレートは、低ければ低いほど回転数が抑えられ、変化量も大きくなる。

 結果的に佐々木のスプリットは、49インチ(約124cm)もの極端な落差を見せることもあり、もはやナックルボールに近い変化と言っていい。空気抵抗を受け、左右に揺れながらストンと落ちて打者の目線から突然消える。まさに“魔球”だ。

【次ページ】 昨季の新人王と比べてみると…?

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