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井上尚弥「弱い相手とばかり戦っている」は本当か? “ヘビー級の本場”イギリスの敏腕記者が語る“現地リアル評”「相手が弱く見えるのは…」
posted2025/05/08 17:02

ダウンも喫した井上尚弥だったが、終わってみればラモン・カルデナスを一蹴。そのマッチメークを「ヘビー級の本場」英国人記者はどう見たのか
text by

一野洋Hiroshi Ichino
photograph by
Hiroaki Yamaguchi
スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)が5月4日(日本時間5日)、米ラスベガスのT-モバイル・アリーナで防衛戦を行い、挑戦者のWBA1位ラモン・カルデナス(米)に8回45秒TKO勝ちを収めた。モンスターの4年ぶりとなるアメリカでの試合を「ヘビー級大国」イギリスの記者はどう見たのか。ボクシング大国での“リアル評”を聞いた。《NumberWebレポート全2回の2回目/最初から読む》
世界的な注目を集めたラモン・カルデナスとのラスベガスでの一戦を含め、ここまで躍進を続けるモンスター・井上尚弥。彼の軌跡は“ヘビー級大国”イギリスではどう受け止められているのか。スポーティングニュースイギリス版でシニア・コンテンツ・プロデューサーを務めるドム・ファレル氏はこう振り返る。
「井上の階級を超えた快進撃は、英国でも熱心なボクシングファンの間では“必ず観るべき試合”として定着しています。(イギリスのスポーツ専門チャンネル)Sky Sportsなどで中継されていますし、時差の関係で昼休みに観られることも多いので、『昼休みに世界最高のファイターの試合が観られる』という喜びもあります」
“ヘビー級の国”英国では「多くは井上の名前を知らない」
一方で、4月27日(日本時間)にロンドン・トッテナムスタジアムで6万7000人を動員した「親子二代のライバル関係」クリス・ユーバンク・ジュニアvsコナー・ベン戦のような“英国的因縁カード”に熱狂するライト層の多くにとっては、井上尚弥の名前はまだ届いていない。
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「ボクシングに詳しくない層の多くは、井上の名前をまだ知らないのが現実です。これは彼が軽量級で戦ってきたこと、そしてイギリスで試合をしたのがたった一度きり(※6年前のワールド・ボクシング・スーパーシリーズでエマヌエル・ロドリゲスをノックアウトした試合)という背景にも起因します」