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「我々も敗北を重ねてきた」日本バレー絶賛のイタリア人記者が“2028年ロス五輪”に期待「ランをはじめ、強力な若手がいる国はそう多くない」 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2024/08/07 18:01

「我々も敗北を重ねてきた」日本バレー絶賛のイタリア人記者が“2028年ロス五輪”に期待「ランをはじめ、強力な若手がいる国はそう多くない」<Number Web> photograph by Volleyball World

攻守にわたって存在感を発揮した高橋藍(22歳)。イタリアでのプレー経験が大きな進化につながった

 日本とイタリアは、五輪の舞台で過去7度対戦している。もし、24-21とした第3セットをあのまま取っていれば、1984年のロス五輪以来の歴史的勝利になるはずだった。だが、そうはならなかった。壁はかくも分厚く重いものか。

 イタリアバレー界の重鎮記者ジャンルカ・パジーニ記者が提言してくれた。

「多くのタイトルを獲ってきたイタリアにも五輪の金メダルだけがない。我々は何度も“今度こそ”と挑戦し、敗北を重ねてきた。私も記者として30年以上代表を追ってきたが何度悲嘆に暮れたことか。1992年のバルセロナ五輪では当時世界最強を誇ったイタリアが準々決勝でオランダにまさかの屈辱的敗北を喫した。だが、そこから立ち上がったから今がある。

 “パツィエンツァ(忍耐)”とはデ・ジョルジがよく好んで使う言葉だが、イタリアの忍耐力は幾多の敗北から培ってきたものだ。日本は今後も世界列強の一つであり続けるだろう。ラン(高橋藍)をはじめ、強力な若手選手たちを揃える国はそう多くはない。次の2028年ロス五輪に日本が再びトップレベルのチームとして帰ってくることを願っている」

 イタリアと日本、青と赤。2つのバレーの色が激しくコートの上で弾けた。

 日本戦でアッズーリ最多の24ポイントを決めたのは、“バレーの申し子”と評されるアレッサンドロ・ミキエレットだ。高橋藍と同い年のエースが残した短い言葉は今なお我々の息を止め、胸を叩く。

「最高に素晴らしい、人生ベストゲームの一つだった。俺たちはこういう試合のために生きている」

(前編から続く)

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