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「僕がいた時にはこんなチーム作れなかった」男子バレー敗戦…柳田将洋が惜しむ“史上最高のチーム”の終焉「キャプテン石川祐希に今、伝えたいこと」
posted2024/08/06 12:33
text by
柳田将洋Masahiro Yanagida
photograph by
Asami Enomoto/JMPA
52年ぶりのメダルを懸けたパリ五輪。バレーボール男子日本代表は準々決勝で強豪イタリアに逆転負けを喫し、ベスト8で姿を消した。石川祐希ら多くの選手が涙したラストゲームを、元日本代表で前キャプテンの柳田将洋(32歳/東京グレートベアーズ)にレビューしてもらった。【NumberWeb短期連載・最終回】
悔しいし、寂しい。
もうこのチームで試合をすることはないのかと思うと、寂しさと喪失感の方が大きいかもしれません。それが今の素直な気持ちです。
イタリアが簡単に取られせてくれるわけがない
1セット目は日本が押し切りましたが、2セット目以降はすべて2点差。常にヒリヒリするタイトな展開でした。一点一点に目を向けても、セッター関田誠大選手が託すところでしっかり託していたし、石川祐希選手もかなり調子を上げてきた。何よりディフェンスもオフェンスも、あれほど痺れる場面で全員が正確なプレーをし続けた。普通に考えたらできることじゃありません。全員が力を出し切っていました。
とはいえ、この日本代表は「金メダルを目指す」とオリンピックに臨んだチームです。プロとして、国を背負って戦っているからこそ、選手たちはきっと「やり切った」とは言わないでしょう。この結果に満足しないこともわかっています。
悔やまれるのは第3セット終盤、日本が3点リードして得たマッチポイントを取り切れなかったところ。ただ、相手はあのイタリアです。そんなに簡単に取らせてくれるわけがないこともわかっていました。
改めて、オリンピックの準々決勝という場所で、簡単な試合、簡単に取れる1点なんてないんだということを、応援する僕らも見せつけられました。