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「イタリアは九死に一生を得た」「ヤマモトの銅像を建てろ」バレー大国にとっても“歴史に残るゲーム”だった日本戦「彼らはアニメの世界にいる」

posted2024/08/07 18:00

 
「イタリアは九死に一生を得た」「ヤマモトの銅像を建てろ」バレー大国にとっても“歴史に残るゲーム”だった日本戦「彼らはアニメの世界にいる」<Number Web> photograph by AP/AFLO

何度もチームを救ってきたリベロ山本智大のスーパーレシーブ。イタリアの中継でも絶賛されていたという

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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パリ五輪・男子バレーボールで4強に進んだイタリア代表。準々決勝で日本との激闘を制したことで、悲願の金メダルへの気運は高まっているようだ。イタリア現地でも多く報じられていた「日本代表」について、在住23年のジャーナリスト弓削高志氏がまとめた。中継で絶賛されていた選手とは?【全2回の1回目/後編に続く】

 世紀の大逆転劇だった。

 パリ五輪・男子バレー準々決勝でイタリアが日本をタイブレークの末、3-2で下した。試合時間2時間半に迫る激闘は、試合を観た者すべての心拍数を急上昇させ、バレー王国を震撼させた。

「イタリアは九死に一生を得た」

 この一戦を『ガゼッタ・デッロ・スポルト』はこう報じた。

「4度のマッチポイントを凌いだイタリアの逆転劇。日本の準決勝進出は幻に終わるも、忘れることのできない名ゲーム。フィリップ・ブラン(監督)のチームは予選プールでの苦戦は日本の真の姿にあらずと世界に示した。この世のものとは思えないほどの強さを見せた日本を破っただけに、この劇的勝利はイタリアを勢いづけるだろう。国民の冠状動脈は何とか持ちこたえた」

 試合翌日の現地紙はいずれも準々決勝の死闘を「バレー史に残る偉大なゲーム」「イタリアは地獄から九死に一生を得た」と評している。第3セットの日本のマッチポイントを3度凌ぎきったアッズーリ(=“青色”を意味するイタリア代表チームの愛称)の不撓不屈ぶりと奇跡的勝利を称えつつ、対戦相手日本へも惜しみない賛辞が贈られた。

 五輪を中継する衛星放送Eurosportと国営放送RAIの実況でも、試合中から日本選手とチームへの称賛がやまず「日本はパーフェクト・ゲームをしている!」という感嘆フレーズが何度もくり返された。強敵ポーランドを下して予選プールを全体1位で通過し、トップコンディションにあるはずのイタリアを日本は文字通り圧倒した。日本が王手をかけた第3セットの中盤には、実況アナウンサーと解説者がもはや敗戦やむなし、と白旗を上げたほどだ。

【次ページ】 「勝っても負けてもMVPはヤマモト」

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