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「いやいや、お前のボールだろ」忘れられない“石川祐希とのケンカ”…星城高&中央大の同級生が語る「祐希には“怒りスイッチ”がある」

posted2024/08/02 11:55

 
「いやいや、お前のボールだろ」忘れられない“石川祐希とのケンカ”…星城高&中央大の同級生が語る「祐希には“怒りスイッチ”がある」<Number Web> photograph by AFLO SPORT

中央大時代の石川祐希(2015年)

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田中夕子

田中夕子Yuko Tanaka

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 8月3日早朝4時、バレーボール男子日本代表は決勝トーナメント進出を懸けて予選ラウンド・アメリカ戦に挑む。52年ぶりのメダルに向けて、キーマンをあげるとすれば、キャプテン石川祐希とセッター関田誠大は外せないだろう。石川と関田に多くの影響を受けてきたという旧友が2人のエピソードを語り出した。【NumberWebノンフィクション全2回の1回目】

 たとえ、崖っぷちに追い込まれても「やってくれる」と思わせる。

 何度も窮地に追い込まれながら、それでもバレーボール男子日本代表が希望や期待を抱かせてきたのはなぜか。

 それは周囲の期待と希望を背負い、カタチにしてくれる選手がいることを我々が知っているからだ。

 日本代表主将、石川祐希。

 キャプテンになってから、石川のサーブやスパイクが、何度も何度も崖っぷちに立たされた日本代表を救ってきた。誰もがわかる勝負が懸かった一本を確実に決める、逞しく、頼れる姿を幾度となく見せてきた。

 しかも、それは今に始まったことではない。インターハイ、国体、春高を2年連続で制覇して「高校6冠」を成し遂げた星城高校時代や、大学1年から全日本インカレを3連覇した中央大学時代から変わらない。

石川祐希との最初で最後のケンカ

 抜群のバレーボールセンスや人一倍勝負に執着する負けず嫌いの性格。石川を爆発させる要因はいくつもあるが、「意外なスイッチもある」と語るのは星城高と中大での7年間を共に過ごし、現在はSVリーグの広島サンダーズでプレーする武智洸史だ。

「祐希は“怒りスイッチ”をいい方向にもっていくんです。学生の頃は怒りで悪い方向にいくこともたまにありましたけど(笑)、でも最終的にはチームを勝たせるのが祐希なんです」

 6度の全国制覇を成し遂げた高校時代は、同じアウトサイドヒッターに入る武智と石川が衝突することはほぼなかった。最初で最後のケンカは、中大2年の全日本インカレだ。

 星城高に続いて中大でもアウトサイドヒッターの対角に入り、1年時から共にレギュラーとして試合に出場。入学初年度の全日本インカレも制し、連覇を狙った東海大との準々決勝で、事件が起きた。

【次ページ】 石川と関田の言い合いの後に…

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