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「監督の話はまだしゃべるなと」松井稼頭央監督「電撃休養」、連勝した試合後に何が起きていた? 正捕手は「僕のミスで負けた試合もある」渡辺久信GMは…
text by
中島大輔Daisuke Nakajima
photograph byJIJI PRESS
posted2024/05/27 17:20
26日の試合後、柔らかな表情で選手とコミュニケーションをとる松井稼頭央監督。一体、どのような思いが去来していたのか
「私的にもチームをしっかりマネジメントしていかなくてはいけない立場の中で、今の成績について非常に責任を感じていました。球団の方からも『この状況を打破していくためにはGMしかいない』と言われましたので。私もはっきり言うと11年前に(監督を)辞めたとき、もう現場には戻らないつもりでいましたけど、こういう状況になって自分がやるしかないと思っております」
渡辺監督代行は低迷するチームを鼓舞するかのように、会見を通じて大きな声でハキハキと話した。
GMに聞きたかったこと
筆者はGMに聞きたいことがあった。会見の冒頭で「松井監督だけの責任じゃない」と認めたように、今季の低迷は不十分な戦力しか提供できていない編成サイドの非が大きい。悪夢の敗戦を喫した5月24日の後、もし次も負けたら渡辺GMに直撃しようと用意していた質問があった。
テレビ局の質問が終わり、スポーツ紙の記者が手を挙げた後に尋ねた。
――ここまでの低迷は得点力不足が顕著だと思います。編成トップのGMの立場から、十分に戦力は供給できていたとお考えでしょうか?
「外国人にしても、なかなかうまく日本の野球にアジャストできなかったり、今ケガをしていたり(※ヘスス・アギラーが右足首痛で5月8日に登録抹消)、なかなか思っていたような実力を現時点では出してないと思っています。ただ残り100試合近くあるので、しっかり実力通りの力を出してほしい。今ファームでコルデロは状態も上がってきていますし、アギラーもそんなに長く時間はかからないと思うので早く復帰してほしい。そうしないとシーズンが終わっちゃうので、頑張ってほしいと思います」
――若手野手の伸び悩みがこの数年、特に外野手のレギュラーを誰も獲れないなど顕著だと思います。球団としてどういう問題があるとお考えでしょうか?
「球団としてというか、チャンスはみんな与えてもらっていますし。いいときもあるんですけど、それが長続きしない。旬が短いっていうか、なかなかそれでレギュラーを獲れないでいるのがここ数年続いていると思います。すごく能力を持った選手はいるので。プロ野球人生ってそんなに長くないので、しっかり自分を見つめ直してやっていってほしいなと思っています」
渡辺GM兼監督代行の会見は計3人の記者の質問で終了した。挙手が少なかったのは、それほど松井監督の休養発表が電撃的だったからかもしれない。
平石ヘッド「止まりましょうか」
渡辺GM兼監督代行の会見を終え、球団施設から駐車場へとつながる階段付近で待っていると、平石ヘッドコーチが現れた。報道陣が一斉に脇を歩き出す。
「止まりましょうか」
沈痛な表情の平石コーチは歩みを止め、報道陣に対応した。
<つづく>