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勝てない中日ファンの“本音”…地元アナウンサーらの証言「立浪和義が出演すると視聴率上がる」なぜ愛される?「二軍戦が異例の完売」
text by
長尾隆広Takahiro Nagao
photograph byHideki Sugiyama
posted2024/05/22 06:00
立浪和義監督率いる中日ドラゴンズ。チーム状況は苦しくとも、なぜ愛されるのか?
現役時代から立浪監督に取材を続け、番組で共演歴もある東海ラジオ・大澤広樹アナウンサーは「立浪さんの現役時代、ゲスト出演すると視聴率が上がったとテレビ関係者に聞いたことがあります。名古屋の人にとって、待ちに待った監督就任だった。現役の晩年はレギュラーを外され代打となり、それでも好成績を残し引退した“伝説”もある。逆境を跳ね返し、栄光を掴んだドラマに多くのファンが心動かされたはず」と、影響力を明かす。その一方で、「私は岐阜出身。ミスタードラゴンズと言えば、高木守道さんですが、監督を辞める時は球場のセレモニーでとんでもない罵声を受けていた。自分たちの郷土のスーパースターが、そうやって終わっていく姿を見ると、やっぱり選手時代と、監督としての結果は分けて考えないといけないのは肌で感じた」とやるせない思いも明かしてくれた。
「明らかにファンの人が大声で…」
昨年からアナウンサー兼同社の営業マンとしてスポンサー回りもする大澤氏。今季ここまで上位に食らいつく立浪竜を取り巻く周囲の環境に、少しずつ変化を感じているという。「後輩から『営業先でこんなに野球(ドラゴンズ)のことを聞かれるとは思わなかったです』と言われる。だから、会社にいても『これってどういう意味ですか?』ってドラゴンズのことを聞かれたり、さらにそれを後輩が営業先に伝えに行ったりしている。立浪監督になってから『ガッツナイター』のスポンサーはずっと完売。ドラゴンズのことを聞いてみたい、知りたい人がたくさんいるのは肌で感じる。先日、普段の放送席からじゃなく、プライベートでバックネット裏から試合をみたけど、コロナ前より明らかにファンの人が大声で応援している。それだけ愛されていると身にしみて感じた」
親子代々受け継がれていく地域性、地域の草の根活動、推し活文化、立浪和義の人気……だから、地元ファンは中日を見捨てないのだ。
【参照】※1文春野球コラムペナントレース2020「名古屋の子どもたちにドラゴンズのキャップを配りたい! 「『ポッカサッポロ』の挑戦」/大山くまお