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プロ野球亭日乗BACK NUMBER
「自分でもびっくり…鳥肌が立ちました」筒香嘉智がいま明かすDeNA復帰戦ホームランの真相「実はまだまだ最悪と言ってもいい状態ですね」
posted2024/05/22 17:02
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
SANKEI SHIMBUN
ベイスターズ復帰を決断するまで
横浜スタジアムが熱狂している。
背番号25が打席に立つと、5年前と同じ応援歌が流れ、「ツツゴー!」の掛け声が、帰ってきた主砲を後押しする。そんな熱狂に改めて感じるのは、ベイスターズは筒香嘉智という野球選手の“本籍地”だということだ。
筒香「本籍地……そうですね。他のチームに行っていたら、それはそれでいい反響も悪い反響も、両方ともあったと思います。でもベイスターズに戻ってきて横浜スタジアムでレフトを守っていると、レフトスタンドの阪神ファン、ヤクルトファンからも温かい声をかけていただきました。北陸遠征で訪れた富山と福井ではジャイアンツファンの方にも、声をかけていただいた。以前は阪神ファンの方には、かなりやじられたんですけどね(笑)。今回はすごく暖かい声をかけていただいています」
4月16日に発表されたDeNAへの復帰。日本時間3月22日にオプトアウト(契約破棄)の権利を行使して、サンフランシスコ・ジャイアンツから自由契約となると、代理人のジョエル・ウルフ氏の勧めで日本球界復帰も視野に入れての移籍球団探しが始まった。米国では新たな球団がなかなか見つからない中で、日本からはセ、パ両リーグの球団からオファーが届き、日本球界復帰を意識して帰国したのは4月4日のことだった。
筒香「正直に言って、日本に戻ってプレーするモチベーションが、なかなか上がってこなかったというのはあったんです。ただジョエルはこれまでも色々な局面で、代理人というより友人のような感じで意見を言ってくれてきたし、彼の助言に逆らって自分の意見を通して失敗したこともありましたから……」
そうしてウルフ氏が日本の球団と交渉を進める最中に出てきたのが、巨人入り決定の報道だった。巨人はここ数年、マイナーでプレーする筒香に積極的にコンタクトをとり、今季からチームの指揮を執る阿部慎之助監督とは、渡米前から親交もあった。
筒香「そういう意味では選択肢として(他球団の)可能性もありましたけど、本当に正直にお話しすると、巨人入りが報じられた時点では、まだ何も決まっていなかったんです。ちょうどその頃、獲得の意思を示していただいた球団から具体的な条件面のオファーをいただいている最中で、自分ではまだ何も決められていなかった。でも巨人入りの報道が流れてネットがすごく荒れたんですよね(笑)。それがちょっと嬉しかったというか……ベイスターズのファンの方がそれだけ思ってくれているんだと……」
最後は自分の気持ちで決めた
この時点で本人の中ではまだアメリカでプレーすることを完全に諦めきれていたわけでもなかった。ただ現実的にはアメリカの球団からのオファーはなく、選択肢は日本球界復帰、そして復帰先をどの球団にするかに絞られていった。