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「今年は楽しかったなあ」最終決戦直前…堀江翔太が語り出した“常勝軍団ワイルドナイツ”強さの継承「三洋は貪欲な人が多かった」
posted2024/05/17 11:05
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph by
Kiichi Matsumoto
今シーズン限りでの現役引退を表明している堀江翔太(38歳)。ラグビーW杯4度の出場、日本代表キャップ「76」を誇るフッカーはラストゲームをどう迎えるのか。複数回にわたってお届けする短期連載の第3回は、迫るプレーオフに向けて「ワイルドナイツ」の強さの秘密に迫ります。
かつて、「三洋電機」というチームがあった——。
これは正確な表現ではないか。三洋電機はパナソニックになり、埼玉パナソニックワイルドナイツになった。
そして今季、三洋電機ひと筋だった最後の生き残りが引退する。
ミスター・ワイルドナイツ、堀江翔太がその人である。
「僕が最後になったんですね。それは感慨深いなあ」
つないできた三洋電機のカルチャー
堀江は2008年に帝京大学を卒業後、ニュージーランド留学を経て、三洋電機に入った。
「僕が入った時と、いまもまったく変わってないことがあります。いい意味で個人主義なんです。チーム練習が終わってから、みんな必ず個人練習をやってました。僕は誰から強制されるわけでもなく、帝京の時からやってましたけど、三洋は自分たちのスキルを上げるのに貪欲な人が多かったです。それが今につながっているのは、伝統というか、カルチャーをみんなで上手くつないできたんちゃうかなと思います」
フッカーでラインアウトのスローワー担当である堀江は、試合で起きたミスの原因を分析し、個人練習で修正することが多かった。
「ラグビーの全体練習って、どうしても試合を想定したゲームライクなものが多くなるんで、自分が上手くなろうと思ったら、個人練習やるしかないんですよ。それがいまも残っているのは、たしかにワイルドナイツの財産だと思います」