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酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
「道楽や売名行為ではなく、スポーツで…」ファーム新球団「くふうハヤテ」は今どうなってる?「倉本寿彦や田中健二朗らは実績を見せているが」
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byJIJI PRESS
posted2024/05/20 11:00
ウエスタン・リーグに参戦している「くふうハヤテベンチャーズ静岡」。その成り立ち、そして選手たちはどんな面々がいるのか
国立の小樽商科大を経て、エスコンフィールドHOKKAIDOのある北広島市の職員となり、自治労北広島で軟式野球をしていた。さらに社会人野球ウイン北広島でプレーし、軟式から硬式とボールを持ち替える。ドラフト指名の可能性もあったが、NPBからの指名はなく、くふうハヤテに入団した。
増田将馬は、昨年は徳島インディゴソックスにいた。兄は巨人の増田大輝。兄と同様、独立リーグからプロ入りを目指し、昨年のドラフト当日は、球団会見場で指名を待った。9人の候補者の内6人が呼ばれる中、増田の名前はなかった。彼は「今年呼ばれなければ来年はない」と言っていたが、再度、挑戦することにしたのだ。
開幕直前の2月末に追加のトライアウトを実施、2人の投手を獲得した。このうち平間凜太郎は、四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドッグスで投げていた。
「通用する投手」か否かが分かれた印象が
そして開幕。
週末のちゅ~るスタジアム清水には、週末には1000人近い観客が集まる。球場もフェンスを整備し、駐車場を完備したほか、JR清水駅からのシャトルバスも走らせた。
筆者は数試合を見たが、打者では倉本がさすがの活躍。ファームの投手を易々と攻略していた。また大分の明豊高校出身で、ソフトバンク育成選手だった居谷匠真の溌溂としたプレーも目立った。
ただ、投手は「通用する投手」か否かがはっきり分かれた印象がある。
竹内は先発で試合を作ることができており、早川もチームの9勝のうち3勝を挙げるなど活躍しているが、継投の後に大崩れする試合が多い。そんな中で田中健二朗は、4月23日時点で、10試合に投げてまだ自責点0とプロ野球の世界で培った実績を見せている。
筆者は毎年ファームの試合もたくさん見ているが、くふうハヤテベンチャーズが参加して、ウエスタン・リーグが活気づいたと感じている。
ファーム(農場)という牧歌的な名前のリーグで「毎日ジャイキリ」と張り切るチームがいるのだから当然だ。ぜひちゅ~るスタジアム清水で、彼らの奮闘を見てほしい。
一方、イースタン・リーグでは「オイシックス新潟アルビレックスBC」が奮闘している。こちらは独立リーグからのファーム参戦となっているが、どのようなチーム構成となっているのだろうか。
<つづきは第2回へ>