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6球団競合のFA移籍→戦力外通告「野球人生を懸けてロッテに移籍した」福田秀平が“負けた”と語った苦悩の4年間、歯車が狂ったあの骨折
posted2024/01/29 11:02
text by
田中大貴Daiki Tanaka
photograph by
Ichisei Hiramatsu
2019年のオフ、福岡ソフトバンクホークスから6球団競合の末に千葉ロッテマリーンズへFA移籍を果たした福田秀平。しかし、この4年間は負傷に泣かされ、思うような結果を残せず、昨オフに戦力外通告を受けた。一時は「引退」も頭をよぎったが、2月10日で35歳となるベテランが選んだ新天地は、今季からウエスタン・リーグに新規参入する「くふうハヤテベンチャーズ静岡」だった。再起を誓う福田の本音に迫った〈全2回/後編に続く〉。聞き手=田中大貴(フリーアナウンサー)
――まずは、ロッテでの4年間を振り返ってください。ホークス残留オファーを含む6球団から誘いがあった中で、ロッテを選んだ決め手は何だったのでしょうか? ※ロッテとは4年出来高を含めた総額7億円超の高待遇で契約。楽天からは出来高を含めると総額10億円に迫る破格条件も提示された。
福田 要因は一つではありません。昔からお世話になっていた鳥越(裕介)さんの存在はとても大きかったですし、母が暮らす関東圏のチームという部分も魅力でした。ホークスを含めてどの球団からも良い条件の提示をもらえたことは選手として自信になりましたし、どの球団に行っても競争があることはわかっていたので、当時はとにかく新天地でレギュラーをつかみたいという一心でした。
開幕前にまさかの骨折、狂った歯車
――ただ、そんな希望を打ち砕くアクシデントに見舞われます。
福田 ホークスの最後の2年(2018〜19年)は、バッティングの感覚が良くなってきた実感があり、数字にも表れていました。実際、2020年のオープン戦も(コロナ禍による)開幕延期後の練習試合も良い状態でした。「よし、今年は勝負できるぞ」という気持ちが強かったのは確かですね。
――開幕直前の2020年6月、巨人戦でデッドボールを受けました。右肩甲骨の骨折。
福田 当時は「まあ、たかが骨折だろう」と思っていたんですが、それがなかなか手強くて。力が入らない状態でバッティングを繰り返していたら、徐々に肩の痛みが大きくなり、悪循環に陥ったという感じです。