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「道楽や売名行為ではなく、スポーツで…」ファーム新球団「くふうハヤテ」は今どうなってる?「倉本寿彦や田中健二朗らは実績を見せているが」

posted2024/05/20 11:00

 
「道楽や売名行為ではなく、スポーツで…」ファーム新球団「くふうハヤテ」は今どうなってる?「倉本寿彦や田中健二朗らは実績を見せているが」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

ウエスタン・リーグに参戦している「くふうハヤテベンチャーズ静岡」。その成り立ち、そして選手たちはどんな面々がいるのか

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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 2024年のプロ野球、ファームのウエスタン・リーグとイースタン・リーグにそれぞれ「くふうハヤテベンチャーズ静岡」「オイシックス新潟アルビレックスBC」という新球団が誕生した。既存プロ12球団と戦う現場はどのようなものか。(全2回の第1回/続きを読む)

「うちは毎日ジャイアントキリングですよ」

 ちゅ~るスタジアム清水の前で、今季からウエスタン・リーグに参加したファーム新球団「くふうハヤテベンチャーズ静岡」の池田省吾社長は、こう言った。

「開幕戦、オリックスの先発投手は宮城大弥投手ですよ、すごいのなんのって。まだ一軍の公式戦が始まってないから調整で投げたんですが、一軍クラスの選手がどんどん出てくるんですから。一軍半みたいなものです。でも、そういう時にこそ勝っておきたいんですけどね」

道楽や売名行為ではなくスポーツで元気を

 昨年11月に新規参入が正式に決まってから、池田社長はわずか数カ月ほどの間に、シーズン開幕へ向けて獅子奮迅の働きをしてきた。

 何せ「プロ野球チーム」を作るのである。経験のある人などいるはずがない。その点、池田社長は適任中の適任と言ってよかった。

「2006年に創設2年目の独立リーグ、四国アイランドリーグの運営に携わり、高知ファイティングドッグスや香川オリーブガイナーズの球団マネージャーなどを経て、2015年に香川オリーブガイナーズ球団代表となり、リーグ運営会社IBLJの事務局次長を兼務しました」

 独立リーグという厳しい経営環境で永年マネジメントに携わってきた。プロ野球と比べておよそ100分の1という小さな予算規模で、球団をやりくりする。試合運営から選手のマネジメント、さらにスポンサー集めまで、一通りの経験をしてきた。2017年以降は、スポーツメーカーのマーケティング担当だったが、転機は2022年夏のことだった。

「プロ野球のファームリーグ参加の話があって、ハヤテグループの杉原行洋代表にお目にかかりました。杉原代表はもともとスポーツ好きだったのと、コロナ禍で日本全体が元気がない中で、スポーツで日本、静岡を元気にしたいという考えをもっていたんですね」

 池田氏は、ハヤテグループスポーツ事業部アドバイザーを経て、球団社長に就任する。そして2023年4月にNPBは正式に「ファーム参加球団」を公募。ハヤテグループは手を挙げた。そのほかに参入を検討した球団は新潟アルビレックスBC、茨城アストロプラネッツ、栃木ゴールデンブレーブス、火の国サラマンダーズとすべて「独立リーグ球団」。ハヤテだけは、イチから球団を設立することになった。杉原代表は、このように当時の思いを語る。

「本当に『思い』だけで手を挙げてしまいました。でも、道楽や売名行為ではなく、ただただスポーツでみんなを元気にしたい思いだけでした。手を挙げてからいろいろなことを考え始めた感じでした」

地元・静岡出身の赤堀監督の招聘を決めた理由

 そして昨年11月、ハヤテグループは、新潟アルビレックスBCと共にファームリーグ参加球団として認定された。

【次ページ】 山下大輔GMと、藤岡や福田の存在

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