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酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
「原則バス移動です」髙山俊や薮田和樹、陽岱鋼がいる一方で「オイシックス新潟」のテレビに映らない現状「試合後、橋上監督と選手が観客を…」
posted2024/05/20 11:01
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
JIJI PRESS
「NPBというステージで戦うチャンスがあれば、絶対に手を挙げます」
7年前になるが、オイシックス新潟アルビレックスBCの池田拓史社長は、筆者にこう言った。池田社長は独立リーグ、ルートインBCリーグの立ち上げ時から参画。リーグ運営したのちに、新潟アルビレックスBCの経営者となった。
独立リーグには、いろいろな志を持つ経営者がいるが、NPBへの思いをここまではっきりと表現するのは珍しい。
独立リーグから比べると「約1.5倍の選手が必要」
ルートインBCリーグの創設者で、今季からリーグの会長になった村山哲二氏も、常々池田社長の志に理解を示していた。
「私自身がそういう夢を持っていることは、2006年のBCリーグ創設時から村山代表と共有していました。昨年、新潟がファーム・リーグ新規参加にチャレンジすることに関しては、十分理解いただいた中で走り出した感じです」
2023年4月にNPBが「ファーム・リーグ新規参加球団」を募集すると、新潟は7月にNPB事務局へ新規参加申請書を提出。各種審査を経て、11月にハヤテ223(現くふうハヤテベンチャーズ静岡)がウエスタン・リーグに、オイシックス新潟アルビレックスBCがイースタン・リーグに参加することが決まった。
それに先立って10月、新潟はオイシックス・ラ・大地株式会社とのスポンサーシップ契約及び資本提携契約の締結を発表し、チーム名を「オイシックス新潟アルビレックス・ベースボール・クラブ」と改めた。
独立リーグのルートインBCリーグから、NPBのイースタン・リーグに参加するのは、並大抵のことではない。何しろ試合数がこれまでの60数試合から140試合と倍以上に増えるのだから。選手の絶対数が足りなくなる。
「経験豊かな橋上秀樹監督に留任していただいたのですが、とにかく選手の人数が全然違います。27〜28人でやっていたBCリーグ時代から比べると、倍まで行かなくても約1.5倍は必要です。編成は辻和宏編成部部長と野間口貴彦チーム強化アドバイザー(兼投手コーチ)が主に担当しました。時間がないことに加えて流動的な要素も多いという難易度の高いミッションでしたが、この2人が基本的な流れを作ってくれたのが大きかったですね。
新規参加球団ですから、いきなり勝ち進むというのは難しいでしょうが、負け試合ばかりだと、やはり経営的にも厳しくなります。だからNPBで実績のある選手にも多数入団してもらい、ファーム・リーグでしっかりと戦えるチームの骨格を作りたいと考えていました」
陽岱鋼に髙山俊、薮田和樹ら錚々たる顔ぶれ
独立リーグの強豪チームには2〜3人程度の元NPB選手がいるものだが、ファーム・リーグ参加に当たってオイシックスが契約した元NPB選手は9人いる。カッコ内はNPBでの所属球団。