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熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「ウラワの熱さは良くも悪くも…」日本通ブラジル人記者が語る“Jサポはやさしい説”「カシマはジーコ像、ベガルタは聖闘士星矢も最高だ」
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byTiago bontempo
posted2024/04/12 11:02
4月3日、ベガルタ仙台vs愛媛FCを観戦したチアゴ記者。昨季限りで引退したクラブレジェンドである梁勇基とも写真に収まった
「鹿島アントラーズとベガルタ仙台。3月30日に、カシマスタジアムで鹿島対ジュビロ磐田の試合を観戦した(1-0で鹿島が勝利)。スタジアムの前で、ジーコの銅像と一緒に写真を撮ったよ(笑)。グルメでは豚の串刺しが絶品だったね。鹿島は小さな町だけど、Jリーグで最も多くのタイトルを手にしているクラブ。市民たちは、そのことを大きな誇りとしていて、とても熱心に応援するね。
4月3日には、ユアテックスタジアム仙台でJ2の仙台対愛媛FCを見た(2-1で愛媛が勝利)。ベガルタのサポーターは、ゴール裏だけでなくサイドのスタンドにも陣取って応援するのがユニーク。『カントリーロード』(アメリカの歌手ジョン・デンバーの往年の大ヒット曲)やトゥイステッド・シスター(アメリカのヘヴィー・メタル・バンド)のヒット曲を応援歌にしたり、仙台出身の荒木飛呂彦先生の少年漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の旗を振ったり、『仮面ライダー』や『聖闘士星矢』の主題歌を選手のチャントに使っていたりして、とてもクリエイティブ。サポーターが町をとても誇りに思っているのが伝わってきた。仙台は、町もスタジアムもサポーターも素晴らしかった」
――日本では各々の選手にチャントがあってサポーターやファンが歌いますが、他国ではほとんどないですね。
「そうなんだよね。日本のサポーターとファンは、クラブのみならず、個々の選手に対して非常に強い愛情を抱いているんだね。南米でもヨーロッパでも、最も重要なのはクラブであって、選手に対しては少し厳しかったりする。でも、日本の場合はクラブへの愛情と選手への愛情が並び立っている。素晴らしいことだと思うし、人にやさしいところが日本的だね」
J3に落ちても熱心な大宮ファンに好感を持った
――これまで訪れた11のスタジアムのうち、特に気に入ったのは?
「カシマスタジアム、ユアテックスタジアム仙台、そして三協フロンテア柏。どこもスタンドからピッチまでが近くて、とても見やすい。その反対に、コクリツと日産スタジアムは陸上競技用のトラックがあるからちょっと遠い。ブラジルでは、ほとんどのスタジアムがフットボール専用。トラックがあるスタジアムは珍しい」
――日本では、どのクラブを応援しているのですか?